米国の第2巡回区控訴裁判所は4日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマンフリード前CEOに関する地方裁判所の判決を支持する公式命令書(マンデート)を発行した。
マンデートとは、訴訟を第一審裁判所に差し戻し、控訴審の判決を完全に発効させるための手続きだ。これにより、サム氏に言い渡された懲役25年の刑が確定・維持されることになる。
同控訴裁判所の判事は6月時点で、詐欺、共謀、資金洗浄に関連する7つの罪状による25年の懲役を支持する判決をくだしており、サム氏に対する約110億ドル(約1.7兆円)の財産没収命令も正当だとしていた。これが公式に確定した格好だ。
サム氏側は、FTXには「最終的には投資家に損失を与えない十分な資産があった」と述べ、第一審では損失を与える意図がなかったことを証明する証拠を提出することが妨げられたと主張していた。
しかし控訴裁判所の審議ではこの点に反論が行われ、顧客資金を姉妹会社アラメダリサーチなどに無断流用していた件などが改めて問題視された。
今回のマンデートには、裁判所書記官のキャサリン・オヘイガン・ウルフ氏が合議体を代表して署名を行った。
サム氏が今後取れる法的な手続きとしては一つだけ残されている。判決から通常90日以内に、最高裁判所に対して「裁量上訴の許可(令状)」を求める申立てを行うことができる。
裁量上訴とは、当事者に「審理してもらう権利」が保障されていない上訴の形式だ。米最高裁が、下級審の判断に不服がある当事者からの申立てを受けて、審理するかどうかを自身の裁量で決定することになる。しかし、最高裁が実際に許可するのは申立てのごく一部に限られる。
その他にサム氏は6月、米司法省にドナルド・トランプ大統領に宛てた恩赦嘆願書を提出していた。だがトランプ氏は1月時点でサム氏に恩赦を与える意向がないという旨の発言をした。
さらに、米上院は7月、サム氏が「いかなる状況でも」恩赦や減刑などの連邦レベルの寛大な措置を受けるべきではないとする決議案を全会一致で採択した。このため、恩赦の実現は難しいとみられる状況だ。
フォーブスの報道によると、SNS上ではサム氏が早い段階でアンソロピック、カーソル、ロビンフッドなどに投資していたことについて先見の明があると評価する声もある。ただし、こうした投資の一部は流用した顧客資金により行われていたことには留意する必要がある。


