資産のトークン化サービスを手掛ける米オンド・ファイナンス(Ondo)で、経営権を巡る対立が表面化した。創業者ネイサン・オールマン氏の母、キャスリーン・オールマン氏が、現任CEOのイアン・デボード氏の解任と会社の支配権確保を求め、米デラウェア州衡平法裁判所に提訴したことが報じられた。
訴状によると、デボード氏はネイサン・オールマン氏の死後、取締役会の承認なくCEOを名乗り、自らを単独取締役として選任しようとしたという。キャスリーン・オールマン氏は、息子の遺産管理人として会社の支配的な投票権を持ち、取締役会を再構成する権限があると主張している。なお、公開版の訴状では投票権の具体的な比率と死因は非公開とされている。
ネイサン・オールマン氏は米大手証券ゴールドマン・サックス出身で、2021年にオンドを創業した。同社は米国債や株式、ETFなどのトークン化を手掛け、USDYやOUSGといったトークンを主要商品としている。ガバナンストークンONDOの評価額は約20億ドル相当に達しており、ピーター・ティール氏のファウンダーズ・ファンドやコインベース・ベンチャーズ、タイガー・グローバルなどが出資者に名を連ねる。
今年5月、オンドはネイサン・オールマン氏の急死を発表した。同社は当時、社長を務めていたデボード氏がCEOに就任するとした。
キャスリーン・オールマン氏は6月26日、ハワイの裁判所からネイサン・オールマン氏の遺産管理人に正式に任命された。その後、同氏は株主による書面同意を執行し、自らを単独取締役に選任した。
同氏は取締役会を4人に拡大し、ゴードン・リアオ氏とタニー・トウィル氏を選任した。リアオ氏は法的紛争とは無関係な理由で就任を辞退したという。トウィル氏はハワイを拠点とする人材紹介業者で、ネイサン・オールマン氏の妹にあたる。
7月24日、キャスリーン氏とトウィル氏は、デボード氏を社長を含む全ての役職から解任することを決議した。同時に自らを会長・CEO・秘書役・財務責任者に選任し、あわせてデラウェア州の裁判所に3件の申立てを行い、会社の正当な支配者を判断するよう求めたという。
デボード氏はThe Blockへの声明で、「キャシー・オールマン氏が提訴に踏み切ったことは遺憾だ」と述べた。同氏はオールマン氏側の主張には根拠がないとし、「会社は主要な投資家やオンド財団を含む関係者から、現体制への支持を得ている」と語った。
オールマン氏側の取締役会も声明を出し、「創業者ネイサン・オールマン氏が抱いていた、オンチェーン市場が金融の未来になるという信念を貫く」としている。


