米ナスダック上場のステーブルコイン発行大手サークル(Circle Internet Group)は5日、独自の金融市場向けブロックチェーンネットワーク『Arc』の創設バリデーターとして、ブラックロックやマスターカード、ビザなど11社が参加すると発表した。
Arcは9月16日に公開メインネットの稼働を予定している。
創設バリデーターにはサークルに加え、SBIグループ、米資産運用大手ブラックロック、米ポスト・トレード大手DTCC、米デジタル資産大手ギャラクシー、米決済大手グローバル・ペイメンツ、米取引所大手ICE、米決済大手マスターカード、米送金大手マネーグラム、英銀大手スタンダードチャータード、住友商事、米決済大手ビザが名を連ねる。
Arcは現在プライベートメインネットの段階にあり、100社を超えるエコシステム関連企業や金融機関が既に参加している。
この体制は、ネットワークを利用する金融機関自らが検証者として運営に関わる仕組みであり、信頼性やセキュリティ、コンプライアンスの水準を金融市場基盤としての要件にあわせた狙いがあるという。
バリデーター参加にあわせ、複数の大手金融機関がArc上での具体的な統合を進めている。ブラックロックはArc上でBUIDL(米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド)を展開する見通しで、USDCとの連携により機関投資家がファンドの申込みや償還をオンチェーンで一括して行えるようになるとしている。
ブラックロックのグローバル・デジタル資産責任者、ロバート・ミッチニック氏は、ステーブルコインとトークン化資産は金融市場基盤の将来において不可分な関係にあるとの見方を示した。
また、DTCCはサークルと連携し、2027年後半をめどに傘下DTCが保管する資産のトークン化をArc上で可能にする方針だ。
さらに、マスターカードのチーフプロダクトオフィサーを務めるヨルン・ランバート氏は、ステーブルコインが実際の決済や資金管理に組み込まれる中、多様な決済網をつなぐ相互運用可能な基盤の構築を重視していると述べた。
Arcの公開メインネット稼働時には、複数の分野で初日から稼働するアプリケーションやサービスが予定されている。
DeFi分野ではアーベ、エアロドローム、FalconX、ギャラクシー、GSR、キーロック、モルフォ、ノンコ、ユニスワップ、XFXなどが借入や取引、オンチェーンでの資金運用を支える。
また、ステーブルコイン決済分野ではレイン、トゥーンズ、ワイレックスが実店舗決済や国境を越えた送金網へのステーブルコイン組み込みを進めている。
取引所・ウォレット分野ではバイナンス・ウォレット、チェーンリンク、ファイヤーブロックス、クラーケン、レジャー、メタマスク、ユニスワップ・ラブズ、アップビットがUSDCへのアクセスやクロスチェーン移動、カストディを支援するという。
サークルはArcの公開メインネット稼働に向け、プライバシー機能やエージェント向け決済スタック、実物資産(RWA)のトークン化対応を含む機能拡充を進めている。
サークルは同日、2026年第2四半期決算も発表した。売上高とリザーブ(準備金)収入は7.01億ドルで前年同期比7%増、四半期末時点のUSDC流通量は733億ドルで19%増加した。
オンチェーンでのUSDC取扱高は14.8兆ドルと前年同期比151%増加し、純利益は4,800万ドル、調整後EBITDAは1.43億ドルで前年同期比8%増となった。前年同期は新規株式公開に伴う株式報酬費用の影響で純損失となっていたという。
また、サークル・ペイメンツ・ネットワーク(CPN)の年換算取扱高は147億ドルで前四半期比76%増、Arc上の総取引件数は5億200万件で前四半期比106%増となった。
サークルは2026年通期のその他収益ガイダンスを3.10億〜3.30億ドルに上方修正しており、ARCトークンのプレセール収益を計上する方針だ。


