*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨ビットコイン(BTC)は、7月30日に円相場が一時157円まで急騰したことで、円建てビットコイン価格が一時急落した。一方、ドル建てのビットコイン価格は上昇しており、円建て価格も31日朝にかけて値を戻しつつある。
また、クラリティ―法案の停滞も相場に重しを与えている。ポリーマーケットの年内成立確立は28%前後まで落ち込んでいる。「倫理条項を巡る協議は前進したが、正式な議会手続きは前進しなかった」ため、8月7日の夏季休会前に法案が成立する可能性は一段と低下したとみられる。
主要アセットクラスとの相関関係を見ると、ビットコインとS&P500の相関係数は+0.46、金は+0.43、原油は-0.21となっている。いずれも強い相関関係とは言い難く、クラリティー法案を巡る暗号資産市場固有の材料が価格形成に影響している可能性がある。
CMEのビットコイン先物市場では、未決済建玉が全体的に減少している。先物市場に投入されていた資金が引き揚げられていることを示しており、機関投資家を含む市場参加者がポジションを縮小している状況が確認できる。
オプション市場では、7月27日ごろからプットポジションが増加し、PCR(プット・コール・レシオ)も上昇している。下落に備える動きが強まっており、市場参加者の目線が徐々に弱気へ傾いていることがうかがえる。
現時点で、ビットコインを取り巻く市場環境は厳しい。
8月7日に夏季休会入りする米上院で、クラリティー法案の審議がどこまで進むかは依然として不透明である。成立期待の後退が市場心理を冷やし、ビットコイン価格の上値を抑える要因となっている。
さらに、これまで米国株をけん引してきたAI・半導体関連株にも、上昇の勢いが鈍化する兆候が見られる。株式市場の調整が本格化した場合、投資家がリスク資産への配分を減らし、現金や国債、金などの安全資産へ資金を移す可能性も否定できない。
クラリティー法案を巡る政治日程に加え、CME先物市場からの資金流出やオプション市場の弱気化が重なるなか、当面のビットコイン相場は上値の重い展開が続く可能性が高い。


