日立製作所は30日、金融機関や暗号資産関連事業者など17社と共同で、暗号資産・ステーブルコイン・NFTなどのデジタルアセット取引におけるマネー・ローンダリング(資金洗浄)対策の実証実験を実施し、実務適用可能性を確認したと発表した。この成果を踏まえ、2026年10月からデジタルアセット取引向けのAMLモニタリングサービスの提供を開始する。
本実証は、事業者間で疑わしい取引や高リスクなウォレットの情報を共有して各社の初動対応につなげる仕組みや、ステーブルコインなどのトークンの流通を監視し資金の動きからリスクを把握する仕組みを検証したもの。金融庁「FinTech実証実験ハブ」の支援決定案件として、2026年3月から5月に実施した。
マネー・ローンダリングとは、犯罪で得た資金の出どころを分からなくする資金洗浄行為を指す。暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインは国境をまたいだ送金がしやすい一方で追跡が難しく、資金洗浄への悪用リスクが各国の規制当局から指摘されている。
新サービスは、取引後の継続監視を行う「事後モニタリング」、取引前に相手先ウォレットのリスクを評価する「オンライン即時評価」、発行済みトークンの流通状況を追う「トークンモニタリング」の3機能で構成する。
既知の制裁・犯罪関連リストやブロックチェーン分析に加え、AI・機械学習による取引行動の類似度分析なども組み合わせ、単独の事業者では把握しにくいリスクの補完をめざす。
日立は2025年2月から4月にも12社と第1回の実証実験を実施しており、今回はその第2弾にあたる。今後は金融機関や暗号資産事業者などが一体となり、業界横断でリスク情報を連携する「AML共同センター」の構想についても、関係各社と具体化を進めるとしている。


