仮想通貨市場の規制枠組みを定める超党派の法案「クラリティー法」が、米上院での採決に向けて正念場を迎えた。資産運用会社のグレースケールは23日付のレポートで、8月の議会休会前の2週間以内に上院を通過しなければ、中間選挙の政治的混乱に埋もれる可能性が高いと指摘した。
上院共和党は22日、クラリティー法の修正草案の全文を初めて配布した。法案の焦点となっているのは、公職にある官僚・議員がデジタル資産を発行または支援することを在職中に制限する、いわゆる「倫理条項」だ。共和党が制限の維持を主張する一方、民主党側はその修正を求めているとメディアが伝えた。
クラリティー法は、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)それぞれの管轄権を明確化し、デジタル資産の規制枠組みを体系的に整備することを目的とする超党派の立法だ。ユーザー自身が秘密鍵を管理する非管理型ソフトウェア開発者への保護規定や、本人確認(KYC)・マネーロンダリング対策(AML)等の不正資金対策の要件も盛り込まれている。
グレースケールは同レポートで、市場参加者が確率を取引する予測市場での法案成立確率が五分五分に近い水準で推移していると示した。超党派の交渉担当者が残る数点の問題で進展すれば、法案は近く上院を通過する可能性があるとみている。
採決をめぐる状況が緊迫するなか、米投資銀行ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)も23日、クラリティー法への支持を表明した。ソロモン氏は米政治専門メディアのポリティコのインタビューで「法案は完璧ではなく、議論の余地もある。ただ最も重要な点として、公平な競争環境を整備し、市場の安定と発展を促す」と述べた。
ソロモン氏はさらに「法案を前進させ、市場構造を整えることでイノベーションを推進したい。強く支持している」と語った。ゴールドマン・サックスは企業としての立場として「誰もが参加できる一つのシステムが必要だという信念を持っている。この法案はその方向への重要な一歩だ」と話した。


