*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨ビットコイン(BTC)は、7月21日から22日朝にかけて上昇した。
米国とイランによる攻撃の応酬が激化し、地政学リスクへの警戒が続くなかでも、米国株式市場では半導体株を中心に買い戻しが入った。投資家のリスク回避姿勢が幾分後退し、暗号資産市場にも買いが波及したとみられる。
また、ロシア下院が暗号資産に関する規制法案を可決し、9月1日に施行される見通しとなったことも、市場心理を支える材料となった。
成行売買の動向を見ると、今回の上昇は初動こそデリバティブ市場がけん引したものの、その後は現物市場における安定的な買いによって支えられたことが確認できる(下画像青枠)。
アルトコイン市場を全体的に見ると、デリバティブ市場の価格が現物価格を下回る状態が広がっている。先物市場では弱気なポジションが積み上がっており、売られ過ぎの水準に入っている銘柄がほとんどとなっている。
オプション市場でも、投資家心理の急速な改善が確認できる。7万ドル付近では大型のコールオプションの建玉が増加し(下画像赤枠)、PCR(プット・コール・レシオ)は急激に低下した(下画像黄矢印)。市場参加者が現在価格よりも高い水準を意識し始めており、短期的な相場見通しが強気方向へ傾いていることを示している。
現物市場からの買いが継続し、オプション市場でも強気ポジションが増えていることから、短期的な価格上昇を意識する市場参加者が増えている可能性がある。
一方、米国の暗号資産市場の制度設計を左右するクラリティー法案については、成立の可否が依然として不透明である。今後の審議や政治的な駆け引き次第では、市場の期待が大きく変化し、暗号資産価格のボラティリティーが再び高まる可能性がある。
ただし、ストラテジー社を巡るビットコイン売却への懸念や、大型IPOに伴う資金吸収、AI関連株の下落といった直近の悪材料は、市場で一定程度消化されつつある。
クラリティー法案についても、成立期待の後退が徐々に価格へ織り込まれている可能性がある。そのため、法案を巡って新たな大幅悪化が生じなければ、短期的にはAI関連株の次の投資先を探す資金が、暗号資産市場へ一時的に流入する展開も考えられる。


