暗号資産(仮想通貨)分析企業クリプトクアントは14日、ビットコイン・トレジャリー企業最大手ストラテジーの発表した「デジタルクレジット資本フレームワーク」を分析した。即時の流動性リスクに対応した点を評価すると共に、未解決の課題が二つ残っていると述べた。
クリプトクアントは6月23日時点で、ストラテジーの配当支払能力が14か月分にまで低下し、現金準備金が枯渇していることや、同社がサイクルの高値圏でビットコインを買い続けていることを指摘し問題視していた。その後6月29日にストラテジーは新たな資本管理フレームワークを発表している。
このフレームワークの下、ストラテジーはビットコインの購入を一時停止。米ドル準備金の方針を策定(最低12か月分)し、準備金を14.4億ドルから30億ドル(約4,870億円)へ積み増した。これは約29か月分に当たる。
また、優先株STRCの配当を12%に引き上げ、ATM方式で4億6,670万ドル相当の普通株式MSTRを売却した。ビットコイン売却は配当支払いと準備金補充のため、限定的(約2億1,600万ドル)にとどめた。
クリプトクアントは、ビットコインを大量売却するのではなく、配当の引き上げやMSTR売却による資金調達を通じてSTRCの価値や信頼性を支えることに繋がった点を評価した。
一方で、クリプトクアントはストラテジーの財務戦略にはまだ2つ課題が残されていると指摘した。
一つ目は、今後ストラテジーがビットコインの購入を行う際に、どのようなタイミングで行うのかという点だ。いつビットコインの蓄積を再開すべきかを示す体系的かつモデルに基づいたルールが必要だと述べた。
バリュエーション(価格が割高か割安か)を考慮した明確なモデルがなければ、状況が好転した際に「常に局所的な高値で買ってしまう」というパターンを繰り返すリスクがあると続けた。
二つ目は、次の強気相場において、ストラテジーがビットコインを売却する方法だ。同社が新フレームワークの一部として提示した「ビットコイン現金化プログラム」は、その設計上、守りの姿勢をとるものである。
つまり、配当や利息の支払い、あるいは株主価値向上につながる自社株買いの原資を確保するために有利な条件で売却を行うというものだ。クリプトクアントは、これはビットコインのサイクル全体を見据えた売却の規律とは異なると指摘した。
例えば、サイクル上の高値圏で売却を行い、バランスシートの負債を削減したり、ビットコイン収益から株主に価値を還元したり、低価格で再蓄積するための待機資金を確保するといった積極的な資本管理が考えられるが、それについてはまだ策定されておらず、改善できる点だと述べた。


