英大手銀行スタンダードチャータードは10日、2026年末の仮想通貨ビットコイン価格予測10万ドルを維持するリポートを公表した。ストラテジーによるビットコイン売却がビットコインの短期的見通しを「曇らせている」としながらも、中長期の方向性を示すシグナルではなく「ノイズ」と評価したと、ザ・ブロックなどが報じた。
同行のデジタル資産調査グローバル責任者ジェフリー・ケンドリック氏は、現在64,000ドル水準のビットコインを「絶好の買い場だ」と評価し、2026年末の価格予測10万ドルを維持するとした。
こうした評価の背景には、ストラテジーのBTC売却動向がある。同社は6月29日から7月5日にかけて3,588BTCのビットコインを約2億1,600万ドルで売却した。同社にとって過去最大規模の売却で、永久優先株の配当支払いと準備金の補充に充てる目的だった。
ストラテジーは現在843,775BTCのビットコインを保有しており、ビットコインの最大供給量2,100万BTCの4%超を占める。購入コストの総額は637億ドルだが、現在の市場価格での時価は約540億ドルにとどまり、直近四半期に83億ドル超の評価損を計上しており、購入コストとの乖離が広がっている。
ストラテジーは2020年から2025年半ばにかけて、企業価値をビットコイン保有額で割った指標「mNAV」が1.0を大幅に上回る状態を維持してきた。mNAVが1.0超であれば、株式を発行してビットコインを購入することで企業価値を高める好循環が成立する仕組みだが、現在mNAVは1.0前後まで低下しており、この株式発行を通じた蓄積モデルは機能しなくなっている。
蓄積モデルの停滞を受け、ストラテジーは保有ビットコインを永久優先株「STRC」の担保として活用する方向へ転換しつつある。STRCは年率12%の配当を現金で支払う永久優先株で、発行残高は約100億ドルに上り、ストラテジーが展開する金融商品の中で最大規模だ。
STRCは100ドルの額面付近での取引を想定して設計されているが、6月1日にストラテジーが32BTCのビットコイン売却を開示したことを契機に急落し、6月26日には日中最安値71.25ドルをつけた。スタンダードチャータードによると、その後も約90ドル付近での取引が続いており、「市場はまだ新戦略を完全には納得していない」状態にあるという。
ストラテジーのビットコイン売却をめぐっては、金融機関の見方が分かれている。米銀JPモルガンのアナリストは、売却方針の明確化によりストラテジーが買い手と売り手の双方として機能することになり、「双方向リスク」が仮想通貨市場に持ち込まれると指摘した。
一方、仮想通貨資産運用会社グレースケールのアナリストはこれとは逆の見方を示し、ビットコインの売却がバランスシートを強化し、より持続可能な底値形成につながると分析した。
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