CNBCは24日、米財務省高官2人の話として、財務省が残高約9,500億ドルまで積み増した政府一般口座(TGA)を長期国債の買い戻し原資に充てる可能性があると報じた。財務省は今月、長期国債の買い戻し規模を従来の2倍以上に拡大すると発表しており、TGAの活用はその原資を確保する新たな選択肢として検討されているという。
TGAは米政府の日々の資金繰りを担う口座で、米連邦準備制度に置かれた税収などを原資とするものだ。財務省は残高目標を政策的に調整しており、バイデン前政権下では5,500億〜6,000億ドル程度としていた。
財務省は19日、10年超20年債と20年超30年債を中心とした買い戻し規模を1回当たり20億ドルから40億ドル以上へ引き上げると発表し、9月9日の初回実施に向けて四半期分の計画を示した。発表時点では買い戻しの原資について言及がなく、市場では短期国債の売却で賄うとの見方が大勢を占めていた。
ベッセント財務長官はCNBCの取材に対し、この操作を「トレジャリー・ツイスト」と呼び、短期国債の発行で得た資金を長期国債の購入に充てる手法だと説明した。発表直後に一時上昇した国債相場はその後失速し、操作の実効性や財務省の余力を疑問視する市場参加者の見方を背景に、利回りは再び上昇圧力にさらされている。
この買い戻し拡大の発表を受け、仮想通貨相場は先週大きく上昇した。ビットコイン( BTC )は19日の発表を境に値上がりに転じ、週間では約23%上昇し25日には7万9,000ドル前後まで値を戻した。
市場データによると、30年債利回りが19年ぶりの高水準から低下したことで金利収入を伴う国債の相対的な魅力が薄れ、資金はビットコインなど発行上限のある資産に向かったとみられる。ビットコイン現物ETFには週間で約6億5000万ドルが流入したほか、数十億ドル規模の空売り精算も重なり、相場の値上がりに拍車をかけている。
一方で、WSJによると20日には国債売りが再燃し、10年債利回りは4.697%まで上昇するなど、買い戻し策の効果を疑問視する声が根強い。米資産運用会社LPLファイナンシャルの債券戦略責任者、ローレンス・ギラム氏は買い戻し拡大について「一時しのぎに過ぎない」との見方を示した。
同日発表された米小売大手ウォルマートの決算も市場心理を冷やした。売上高の伸びは6年ぶりの低水準にとどまり、実店舗を中心に消費者の支出が慎重になっている様子がうかがえた。ウォルマートのジョン・デービッド・レイニー最高財務責任者は決算説明会で、ガソリン価格の上昇を背景に消費者の負担が増していると説明した。
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