米ナスダック上場企業エンペリー・デジタルは10日、5月7日以降にビットコイン1,400BTCを売却し、総額約8,710万ドルを調達したと米証券取引委員会(SEC)に提出した8-Kで開示した。同社のビットコイン売却としては過去最大規模となる。
売却の平均単価は1BTCあたり6万2,200ドル。調達資金は、7日に完了した1,000万ドルの債務返済、別途発表済みの不動産取得案件向けの資金手当て、および株主訴訟に関連する法的費用と事業運営費の3項目に充当した。
不動産取得案件は6月30日に発表したAIデータセンター開発事業に相当する。エンペリー・デジタルは不動産会社ハント・プロパティーズ傘下の合弁事業体を通じて米中西部の150メガワット規模の工業用地を取得し、AIデータセンターとして整備する計画で、出資額は6,500万ドル、持ち分は25%だ。同社はこの発表にあわせて、ビットコイン保有量のみに基づく資産評価ダッシュボードを廃止すると表明した。
8-Kによると、7月10日時点でエンペリー・デジタルはビットコイン1,514BTCと約7,390万ドルの現金をトレジャリーに保有し、借入枠の残高は4,500万ドルとなっている。
一方、オンチェーン観測アカウントのオンチェーンレンズは7日、エンペリー・デジタルに関連するとみられるアドレスが新たにビットコイン200BTCを受け取ったと報告した。同アカウントは7日時点の過去6日間で同アドレスへの累計受取量が1,200BTCに上るとも伝えているが、いずれも第三者によるオンチェーン観測であり、エンペリー・デジタル側がこのBTC取得を公式に発表した事実は確認されていない。
エンペリー・デジタルは7月1日付のプレスリリースで、ビットコインの保有は継続するものの追加での買い増しは計画しておらず、AIデータセンター投資の原資確保のためビットコインを売却する可能性があると明言した経緯がある。