暗号資産(仮想通貨)取引所を運営するビットバンクは10日、AI(人工知能)エージェントを通じた新たな取引体験の実現に向けて実証実験を開始したことを発表した。
これからフィードバックをもらいながら、将来的にはユーザーが設定した方針に基づいてAIエージェントがマーケット分析やポートフォリオ管理、リスク管理、取引判断、注文操作までの一連のプロセスをより自律的に担う新しい体験の実現を目指すと述べている。
今回の実証実験の背景には、AI技術の進化やAIエージェントの連携の広がりがある。ビットバンクは発表で、実際のデータを引用しながらAIを介した商取引が拡大している現状などに言及した。
そして、実際に海外の仮想通貨取引所が取引所のデータや機能をAIエージェントと連携させて、市場分析から取引操作までを自然言語で行える新たな取引体験を提供する動きが見られると指摘している。
その上で、ビットバンクは、AIエージェントが決済や取引を担っていく流れを仮想通貨取引所における新たな価値創出の機会と捉えて、AIエージェントと安全に連携できるサービス基盤と新たな取引体験の検証を進めていくとした。
今回ビットバンクは実証実験において、まずはローカル環境で動作するMCP(Model Context Protocol)サーバとCLI(Command Line Interface)のベータ版を公開した。
MCPサーバとCLIは、どちらもAIエージェントの稼働に利用するインターフェース。ビットバンクは、海外の仮想通貨取引所もMCPサーバやCLIをツールとして利用していると述べている。
今後については、まずはローカル環境で動作するMCPサーバとCLIを通じて、仮想通貨取引所bitbankのパブリックデータや、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)キー連携を前提としたユーザーの資産情報・取引履歴などをAIエージェントが安全に扱えるかを検証する。
この検証の目的は、マーケットやポートフォリオの状況把握、判断支援を行う体験の実用性を確認することだと説明した。
最近は、仮想通貨やブロックチェーンの領域でAIエージェントを巡る動きが活発化してきた。AIエージェントの発展で、仮想通貨取引や決済、セキュリティなどのあり方が大きく変わろうとしている。
9日には、イーサリアム財団のプロトコルセキュリティチームが、複数のAIエージェントをイーサリアム(ETH)のプロトコルコードに投入して脆弱性探索を実施し、実際のバグを発見・修正したことを公表した。