グレースケール・リサーチは27日公開のレポート「Hyperliquid Breaks the Mold(ハイパーリキッドは既存の枠組みを打ち破る)」で、ハイパーリキッドを「現代のデジタル資産業界における傑出した成功事例」と高く評価した。
ハイパーリキッドの中核を成すのは、永久先物に特化した分散型取引所(DEX)だ。同プラットフォームは大手中央集権型取引所(CEX)と遜色のない高速な注文執行、厚い流動性、24時間取引環境、洗練されたUIを実現。しかし同時に、DeFiの基本原則であるセルフカストディや高い透明性を維持している点が強みとなっている。
ハイパーリキッドは、2023年8月のパブリックローンチからわずか3年足らずで目覚ましい成長を遂げている。レポートによると、同プラットフォームは2025年に約2.9兆ドルの永久先物取引高を記録し、約8億ドルの手数料収益を達成。現在は約70億ドルの建玉(OI)を保有しており、建玉ベースでは永久先物取引所として世界の上位3〜4位にランクインする規模に達していると指摘した。
グレースケールは、ハイパーリキッドが急成長した背景として、主な要因として以下の5点を挙げている
レポートは、個々の強みはそれぞれ単独で機能したのではなく、互いに連動して強力なネットワーク効果を生み出していると指摘する。ハイパーリキッドは、流動性と流通、開発者インセンティブの相互作用により競争優位性を維持しており、「流動性は流通を促し、流通は取引量を増加させ、取引量はプロトコルの経済基盤を強化する」という好循環が生まれていると分析している。
近年の大型仮想通貨プロジェクトとしては極めて異例なことに、ハイパーリキッドはベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達を行っていない。ネイティブトークン「Hype」は、総供給量の約30%が初期ユーザーやエコシステム貢献者に直接エアドロップされた。そのため、初期の保有者層は既に製品を理解しているユーザーやトレーダー、コミュニティメンバーで構成されることとなり、コミュニティとの強固な信頼関係の構築につながった。
レポートは、HYPEの価値は取引手数料とその機能的な有用性から生じると指摘している。
ハイパーリキッドは、DEXにおける取引手数料の大部分を自動的にHYPEの買い戻しに充てる「アシスタンスファンド」という仕組みを採用。手数料が同基金に充てられると、その手数料でHYPEを買い戻し、買い戻された HYPEはバーンされる。バーンが新規発行量を上回るため、HYPEの流通量は時間と共に減少する傾向にある。
エコシステム内でHYPEは以下の用途に利用されている。
現在、ハイパーリキッドの収益の大半は依然として取引手数料に依存している。ただし、同プラットフォームは複数分野で競争力を持つ「総合金融サービスプラットフォーム」へと進化しつつあるとレポートは指摘する。特に最も有望な要素として、オープンアーキテクチャのアプローチを他の製品領域にも拡張している点が挙られる。
新機能は通常、ハイパーリキッド改善提案(HIP)を通じて導入されるが、実際の製品開発を担うのはハイパーリキッド開発チームではなく、サードパーティの開発者だ。
HIP-3では、開発者が株式、商品、インデックス商品といった仮想通貨以外の資産を含む新たな永久市場の構築が可能となっている。実際に、原油や金・銀の永久先物取引において、同プラットフォームは存在感を高めている。
レポートによると、2月の銀価格急騰時には、1日あたりの出来高が40億ドルを超えた。また、中東情勢が緊迫する4月9日には、HIP-3の原油永久先物の24時間取引高が40億ドルを突破し、一時的にビットコイン(BTC)先物を上回った。
さらに現在、HIP-3を通じて公式ライセンスを取得したS&P 500の先物契約の取引も可能になっており、週末を含めたリアルタイムで取引が行われている。
レポートによると、HIP-3の累計取引高はローンチ以来2,300億ドルを超え、現在は140種類以上の取引ペアが稼働している。また、HIP-4により、予測市場に類似した「アウトカム市場」への展開も進められている。
グレースケールは、ハイパーリキッドを「ブロックチェーンベース金融の未来像」と結論づけている。
一方で、レポートはHYPEへの投資に関して、以下のリスク要因も指摘した。