平将明衆議院議員(元デジタル大臣・元サイバー安全保障担当大臣)は4月26日、東京ガーデンテラス紀尾井町で開催されたエグゼクティブサミット「Tech for Impact Summit 2026」(T4IS2026)のメインステージに登壇し、日本版Project Glasswingの始動やAIオンチェーン金融構想プロジェクトチーム(PT)の政策提言など複数の最新動向を明らかにした。
平議員はまず、投資家・スタートアップ関係者が多い会場に向け、政策決定プロセスにはカレンダーがあると指摘した。「2月3月は政策のアイデアを仕込む時期。ゴールデンウィーク前4月下旬ごろに政策がまとまってきて、各分野の政策が与党の成長戦略に入ってくる」と述べ、5月末に自民党成長戦略、その2〜3週間後に政府の骨太方針が公表されるという流れを解説した。
「今出ているこの政策ホワイトペーパーは、かなりの確率で自民党の成長戦略になる。6月時点ではみんなが読める情報になっており、4月下旬〜5月の段階でPTの提言に注目することが本質的優位性を生む」と語った。
2022年のWeb3/ブロックチェーンPT、2023年の生成AIプロジェクトチームと毎年テクノロジー分野のPTを自民党内で立ち上げてきた実績に触れ、「私がPTを作ると、ほぼ国の政策になる」と断言。2026年は「AIオンチェーン金融構想PT」を立ち上げ、座長代行として政策設計に当たっていると明かした。
「いま一番の関心事」と位置づけたのがサイバーセキュリティだ。Anthropicが公表した脅威レポート(生成AIを悪用したサイバー攻撃事例に関する報告)を踏まえ、米国でベッセント財務長官がテック企業・金融機関トップを集めた「Project Glasswing」を立ち上げたことを受け、日本でも対応を加速してきたと語った。
「金融分野から先に対応をしようと思っています。米国のプロジェクトグラスウィングと同じような流れで、金融庁をヘッドに日本版を立ち上げる。片山さつき財務大臣がリードし、先週金曜にキックオフをした」と述べ、日本銀行・東京証券取引所・3メガバンクを招集しての記者会見があったことも明かした。
さらに拡大版として、自身がサイバー安全保障担当大臣在任中に設置した国家サイバー統括室(NCO)と、アジア初のAI Safety Institute(AISI)を連携させ、電力・ガス・通信・交通などの重要インフラまで対象を広げる構想を示した。連携先としてAnthropicやGoogle、OpenAI、Microsoftといった海外フロンティアモデル各社の参加可能性も言及し、「国を挙げてまず脆弱性の診断をし、パッチを当てる優先順位をつけてやっていく」と述べた。
「2番目の関心事」として金融・Web3分野を挙げ、AIオンチェーン金融構想PTの背景を解説した。「昨年のダボス会議で確信したのは、AIとブロックチェーンの相性の良さだ。AIエージェントの世界に入ると、AIは銀行口座を持てない。だからステーブルコインになる」と、エージェンティックAI時代の金融インフラとしてオンチェーン決済を位置づけた。「ブロックチェーンの政策とAIの政策はパラレルで別々にやってきたが、去年ガチッと結びついた。一番付加価値が出るのは金融だと腑に落ちた」と語った。
PTは木原誠二氏(座長・元財務省)、村井英樹氏(事務局長・元財務省)が運営し、連休明けに政策提言を公表する見込みだ。
提言では法改正が必要な事項と、法改正に依らない調整で対応できる事項をクリアに整理するとし、「オンチェーンという言葉をわざわざ使って与党がPTを立ち上げた意味は大きい。どういう世界が来るのか、ビジョンを解像度高く示す必要がある」と述べた。
あわせて公表されたAIホワイトペーパーでは、AI×ロボティクス分野への官民1兆円規模の予算投入によるフィジカルAIファンデーションモデル構築、エージェンティックAI・バーティカルAI・AI for Education・AI for Defenseなど諸領域の政策方針が盛り込まれていると説明した。


