米連邦預金保険公社(FDIC)は7日、決済用ステーブルコインの発行体に対する包括的な規制枠組み案を新たに公式発表した。トランプ大統領が昨年署名した「ジーニアス法」に基づく国家的な規制整備の第2弾として、リスク管理や資本要件の基準を定めている。
今回の提案では、準備金の裏付けや償還に関する厳格な健全性枠組みに加え、カストディ(保管)業務を提供する保険付き預金取扱機関(IDI)への新要件を規定した。ステーブルコインの準備金として保有される預金に対する、パススルー保険の適用方針等も明確化されている。
FDICによるジーニアス法関連の規則制定は、IDIが子会社を通じて発行承認を求める際の手続きを定めた昨年12月に続く2回目となる。トラビス・ヒル議長はこれまで、伝統的金融機関(TradFi)の参入を背景に挙げ、トークン分野に対する連邦政府の姿勢が大きく転換したと指摘してきた。
本規制案により、発行体がトークンの保有自体に対して利回りを提供していると宣伝することは原則として制限される。ステーブルコイン自体は連邦預金保険の対象外となる一方で、法定要件を満たすトークン化預金は他の一般預金と同等に扱われることが明記された。
FDICは資本要件とは別に、前年の営業費用に基づく運営上のバックストップ維持や、時価総額500億ドルを超える大規模発行体への年次監査を要求している。
同機関は連邦官報への掲載から60日間にわたり、144項目に及ぶ関連事項へのパブリックコメントを募集する。
現在、米上院ではステーブルコインの利回り解釈に直接影響を与えるクラリティー法案(市場構造法案)の議論が進められている。今週後半に議会が再開される予定であり、銀行業界と仮想通貨業界間に存在する見解の相違がどのように調整されるかが再び焦点となる。
米国ではすでに通貨監督庁(OCC)や財務省が、ステーブルコインに関する一連の規則や州レベルの監督指針を公表している。各政府機関がジーニアス法の実施に向けた動きを本格化させる中、仮想通貨市場の根幹を成す決済トークンの規制環境が急速に整備されつつある。