*本レポートは、クリプトアナリストである仮想NISHI( @Nishi8maru )氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
ビットコイン( BTC )は6日から7日にかけて上昇し、一時7万ドルを回復した。足元では、米国とイランの間で停戦期間を45日とする協議が進んでいるとの観測が浮上しているが、交渉の先行きにはなお不透明感が残っており、市場では中東情勢を巡る地政学リスクが引き続き意識されている。
一方、米原油先物市場ではWTI期近物が米東部時間5日夜の取引で一時115ドル台を付けた後、上昇一服となった。原油価格の過度な上昇が抑えられたことは、リスク資産全般にとって一定の安心材料となり、ビットコイン相場の下支えにつながったとみられる。
オプション市場に目を向けると、PCR(プット・コールレシオ)は明確な低下基調を示している。一般にPCRの低下は、投資家のセンチメントが弱気から強気へ傾いていることを示唆する。足元のビットコイン相場では、下値警戒よりも上昇余地を意識したポジショニングが優勢になりつつあると考えられる。
また、デリバティブ市場に目を向けると、ファンディングレートはショート方向に傾斜している。これに加え、成行注文を伴うアクティブOI(未決済建玉)の増加も確認されており、上昇局面に対して戻り売りや打診売りを入れる参加者が増えていることがうかがえる。そのため、相場の上振れ局面ではショートカバーが発生しやすく、上昇圧力が強まりやすい地合いにあるといえる。
アルトコイン市場では、多くの銘柄で無期限先物価格が現物価格を下回る状態が見られている。これは先物市場で弱気ポジションが優勢であることを示す一方、短期的には売られすぎのシグナルとして解釈できる面もある。市場心理が改善した場合には、アルトコイン側でリバウンドが強まる可能性もあるだろう。
現時点のビットコイン相場は、地政学リスクの高まりが逃避需要や代替資産需要の観点から追い風となり得る半面、原油価格の電力高騰を通じてマイナーの採算悪化に影響し価格の重しとなりやすい。つまり、イラン情勢の緊迫化はビットコインにとって必ずしも一方向の材料ではない。
とりわけ今後は、原油供給への影響が大きいホルムズ海峡を巡る報道が重要となる。ビットコイン市場は、地政学リスクそのものに加え、それが原油価格にどのような波及をもたらすかを見極める局面に入っている。。