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ブラックロック、2030年までに仮想通貨収益800億円を目標に

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ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は23日付の年次株主レターにおいて、仮想通貨を含む高成長事業が「今後5年以内」、すなわち2030年までに年間5億ドル(800億円)の収益を生み出す見通しを示した。世界最大の資産運用会社トップによるこの表明は、機関投資家による仮想通貨参入が新たな局面に入ったことを示す指標として市場に受け止められている。

ブラックロックは現在、iShares Bitcoin Trust ETF(IBIT)を通じて顧客名義で約80万ビットコイン(評価額約550億ドル)を管理しており、IBITから得る年間管理報酬は約2億5000万ドルに達すると推計されている(コインデスク、2025年11月報道)。

また、ブラックロックが展開するトークン化マネーマーケットファンド「BUIDL(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)」の運用規模は20億ドルを突破し、同分野で世界最大規模のファンドとなった。フィンク氏はレターの中で、ステーブルコイン準備金650億ドルおよびデジタル資産ETF約800億ドルを含め、デジタル資産関連の運用総額が約1,500億ドルに達していると明記した。

フィンク氏は今回のレターで、ビットコインについて「恐怖の資産(asset of fear)」と位置付けた。財政赤字による通貨価値の希薄化や個人の財務・身体的安全への不安を背景に保有されるものであり、ウォーレン・バフェット氏ら「無価値論」を掲げる論者の主張を明確に否定した。

今回の表明の背景には、2024年1月の米国現物ビットコインETF承認という規制環境の転換点がある。ブラックロックはこのETF競争を主導し、わずか2年余りで業界最大規模のビットコインETFを確立した。

フィンク氏は同レターおよび2025年のニューヨーク・タイムズ主催「DealBook」イベントにおいて、「デジタル化とトークン化への投資が遅れれば、他国に先を越される」と警鐘を鳴らし、トランプ大統領の「中国が仮想通貨覇権を狙っている」との発言とも軌を一にする危機感を示していた。

一方で、仮想通貨・金融業界内では今回のレターへの反応が分かれている。機関投資家の参入加速とトークン化推進を「業界の追い風」と評価する声が多い一方、ブラックロックのような大手機関が主導することで金融の分散化という仮想通貨本来の理念が阻害されるとの懸念も上がっている。

なお、フィンク氏はトークン化の現状を「1990年代のインターネット黎明期に相当する」と位置付け、従来型金融とデジタル市場が並走する移行期にあるとも述べた。

関連: ブラックロックのフィンクCEO、トークン化で『投資民主化』を提言

ブラックロックが掲げる2030年の5億ドル仮想通貨事業収益という目標は、IBITとBUIDLで積み上げてきた実績があってこそ現実味を持つフィンク氏が繰り返し訴えるトークン化による金融インフラの刷新は、仮想通貨を投機の対象から機関投資家の標準装備へと押し上げる動きを加速させそうだ。

関連: ビットコイン底打ちか、年内15万ドル目標を維持バーンスタイン分析

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