米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・セリグ委員長は24日、仮想通貨・AI・予測市場を対象とした規制枠組みの整備を目的とする「イノベーション・タスクフォース」の設立を正式発表した。CFTCの公式プレスリリースによると、タスクフォースは「イノベーション諮問委員会」と連携し、米国のデリバティブ市場における新興技術の規制指針策定を担う。
イノベーション・タスクフォースが対象とする3分野は、仮想通貨およびブロックチェーン技術、AIおよび自律システム、予測市場およびイベント契約だ。タスクフォースのリーダーにはセリグ委員長の上級顧問マイケル・パッサラクア氏が就任し、SECの仮想通貨タスクフォースを含む複数の連邦機関との横断的な調整も実施する。
CFTCの動きと並行して、大手予測市場プラットフォームのカルシとポリマーケットは23日、政治家や関係アスリートによるインサイダー取引を禁止する新規則をそれぞれ発表した。カルシはコンプライアンス調査機関インテグリティ・コンプライアンス360(IC360)と提携し登録段階で競技者の身元を特定する体制を整備、ポリマーケットは米データ分析企業パランティアとのAIを活用した不正検知システムの開発を進めている。
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こうした動きの背景には、予測市場に対する議会・州当局双方からの規制圧力の高まりがある。
CFTCは3月12日に予測市場に関する規制指針を公表し、相場操縦やインサイダー取引が発生しやすい契約について市場開設前の当局との事前協議を取引所に求めていた。そして、23日には米上院のアダム・シフ民主党議員ら超党派2議員がCFTC管轄下での予測市場におけるスポーツ関連契約の全面禁止法案を提出し、アリゾナ州がカルシを違法賭博として提訴、ネバダ州が一時禁止命令を取得するなど州レベルの規制行動も相次いでいる。
セリグ委員長は「新たな金融フロンティアを構築するイノベーターに向けて明確な規制の道筋を示すことで、国内での責任ある革新を促し、米国市場参加者が取り残されないようにする」と述べた。
なお、CFTCは今後、パブリックコメントを経て正式な規則策定を進める方針で、テロや戦争に関連するイベント契約の審査も検討課題に挙げている。イノベーション・タスクフォースの設立は、トランプ政権下でデジタル資産分野への友好的な姿勢を打ち出す規制当局の姿勢を象徴するものとして、業界全体から注目されている。
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