オンチェーンデータ分析会社Glassnodeは18日、最新の週次レポートを公開。ビットコイン( BTC )は7万ドルを明確に突破し、ETF流入再開や現物需要の回復が価格を支える一方で、市場の確信はまだ得られていないと慎重な見方を示した。
オンチェーン指標であるUTXO実現価格分布(URPD)によると、2〜3月に形成された59,000〜72,000ドルの供給密集ゾーンを、ビットコイン価格は完全にクリアした。URPDは流通するビットコイン供給量を、取得価格帯ごとに分布を可視化する指標で、どの価格帯にコインがどれだけ蓄積されているかを明らかにする。
ビットコイン価格は現在、72,000〜82,000ドルの「薄い価格帯」に突入。このゾーンでは、過去の蓄積による供給量が少ないため、上限までは売り抵抗が限定的と考えられる。Glassnodeはビットコインがこの価格帯に突入したことは「心強い兆候」としながらも、一度の上昇だけではトレンドの転換を断定するのには不十分だと指摘している。
含み益のある供給割合(PSP)は現在、約60%まで回復している。しかし、過去サイクルでは、この水準が底入れ後の「最初の反発」の限界点として機能することが多く、ここで価格上昇が一旦失速する傾向が見られた。Glassnodeは、本格的な強気相場への転換には、PSPが75%以上を維持することが必要だと強調した。
先週、価格が74,000ドルを僅かに上回った際には、短期保有者(STH)の利確が1時間あたり1,840万ドル規模に急増した。このような利確は、2月の7万ドル超え時にも発生しており、持続的な上昇の足枷となった。
Glassnodeは、この動きは弱気相場の初期回復局面では自然な現象だと説明する。市場がこの売り圧力をうまく吸収し、今後数週間で7万ドルを上回った水準を維持できれば、次の目標として「真の市場平均」である78,000ドルから「薄い価格帯」の上限である82,000ドルが視野に入ってくる。
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今回の上昇局面は、レバレッジ取引ではなく実際の現物需要によって支えられているとGlassnodeは指摘する。
過去30日間、米国のビットコインETF(上場投資信託)への資金流入は急速に回復しており、機関投資家による現物投資への資金回帰が明確になっている。一方、CME先物の建玉残高は依然として控えめな水準にとどまっており、今回の価格上昇が過剰な投機ではなく、資本流入によって支えられている健全な市場環境であることを示している。
また、主要取引所の現物累積ボリューム・デルタ(CVD:売りと買いの優勢を累積で示す指標)は、長期にわたる売り優勢から顕著な回復を見せ、買い優勢へと転換し始めている。バイナンスでは極端な売り圧力が大幅に緩和され、機関投資家が多く利用するコインベースのCVDも上昇傾向を示している。
これらの動きは、現物市場が価格を支える構造に戻りつつあることを示しており、持続的回復の重要な基盤となると考えられる。
ビットコインの永久先物市場では、資金調達率がマイナス圏で推移し、ショートポジションが優勢な状況が続いている。このような地合いの下で、約74,000ドルへの反発局面では、ショートカバーによる強制買い戻しが、価格上昇の主要な原動力となったと見られる。
ショートポジションが過密なため、強制決済の影響を受けやすく、短期的な価格上昇を後押しする可能性がある。
オプション市場では、インプライド・ボラティリティ(IV)はすべての期間で低下傾向を示し、ヘッジ需要の減少と市場環境の正常化を反映している。このような状況から、トレーダーがパニックによるヘッジ需要から徐々に後退している様子が伺えるとレポートは指摘。下落リスクへの大幅なヘッジ解消が、IVの低下に寄与し、現在の反発相場を形成する一因となっていると分析した。
Glassnodeは、これらの状況を踏まえ、短期的にはさらなる価格上昇が期待できるものの、持続的なトレンド形成には、継続的な資金流入と、レバレッジおよび市場参加者の確信度のより広範な拡大が必要になると総括した。
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