仮想通貨取引所クラーケンの親会社ペイワードは、計画していたIPO(新規株式公開)を無期限で延期したことがコインデスクの報道で明らかになった。
事情を知る複数の関係者によると、クラーケンはIPO自体を断念したわけではなく、市場環境が安定するまで上場をしばらく見送る方針だという。
クラーケンは2025年11月にSEC(米証券取引委員会)へドラフトS-1登録届出書を秘密裏に提出し、同月に評価額200億ドルで8億ドルの資金調達を完了していた。調達額の内訳はジェーン・ストリートやDRWベンチャー・キャピタル、HSG、オッペンハイマー・オルタナティブ・インベストメント・マネジメント、トライブ・キャピタル等の機関投資家による6億ドルと、シタデル・セキュリティーズによる戦略的出資2億ドルで構成される。上場は2026年第1四半期が有力視されていた。
クラーケンのIPO延期は仮想通貨業界全体の上場意欲冷え込みを象徴する出来事だ。2026年に上場を果たした仮想通貨関連企業はビットゴーのみで、同社株はIPO後に30%下落している。NFTプラットフォームのオープンシーも直近でベアマーケットを理由にSEAトークンの発行計画を延期しており、業界全体で慎重姿勢が広がっている。
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一方で、2025年は仮想通貨IPOの当たり年だった。ピッチブックのデータによると、2025年は11社が計146億ドルを調達し、前年の3億1,000万ドルから大幅に拡大した。サークル、ブリッシュ、ジェミナイ、フィギュア、イートロといった主要企業が相次いで上場し、上場初日は強い出足を見せた。
しかし2025年10月の相場急落以降、これらの株価は軒並みピーク比で大幅に下落しており、サークル株はピーク比約半値下落となっている。
上場を継続する企業も存在する。ブラックロックと連携するトークン化プラットフォームのセキュリタイズは、SEC認可が下り次第2026年第2四半期のIPOを実施する計画を維持しているという。
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