米資産運用大手ヴァンエックのデジタル資産リサーチ責任者マシュー・シーゲル氏は、暗号資産(仮想通貨)関連銘柄の中で、ビットコイン( BTC )マイニング企業が最も魅力的な投資先の一つになっているとの見解を示した。イラン攻撃をめぐる見通しについても述べている。
CNBCが11日に報じたインタビューの中で、AI(人工知能)向けデータセンター需要に言及し、シーゲル氏は次のように話している。
「時価総額対メガワット比」とは、電力処理能力1メガワットあたりの企業価値を示す指標のことである。同じ電力インフラを持っている場合、マイニング企業は割安で取引されている傾向があり、投資妙味があるとの意見を示した格好だ。
また、電力に関して現在、「私たちは複数の需要ショックに直面している」とも続けた。そして、これらのマイナーは、事業の軸足をAIに移すことにより得られる収益という点で、自分たちが金脈の上にいると早くから認識していたのだとも述べる。
米巨大IT企業4社(アルファベット、アマゾン、メタ、マイクロソフト)は今年、合計6,500億ドル(約100兆円)という驚異的な金額をAI設備に投資する計画だ。大半はAIチップ、サーバー、データセンターインフラに充当される。
こうした機運を掴もうと、マイニング企業は相次いで、手元のデータセンターインフラをビットコインからAI向けに転換、AI・HPC(高性能コンピューティング)インフラを拡大するなどの施策を進めているところだ。
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ライオット・プラットフォームズも、その一つである。1月には、アドバンスド・マイクロデバイス社とのデータセンター契約を発表しており、この契約では、ビットコインマイニングよりも1メガワットあたりの粗利益が2.5倍になると試算した。
さらに、ライオットの提示した資料によると、AIなどのデータセンターのリース契約を「締結済み」のマイニング企業は、「未締結」の企業と比べて「電力容量(1メガワット)あたりの企業価値(EV)」が高い倍率で取引されていた。
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シーゲル氏は、ヴァンエックの上場投資信託(ETF)である「NODE」についても宣伝した。「オンチェーン経済に結びついた企業や金融商品に投資することで、長期的な資本増価を目指す」商品で、設定以来30%以上の上昇を示していると話す。
同じ期間に、ビットコインは32%下落しており、「仮想通貨と現実世界の交差点」がリターンの主要な原動力になると主張している。
シーゲル氏は、現在の情勢についても分析した。米国とイスラエルによるイラン攻撃にともない、石油ショックが世界的に流動性を脅かす可能性があり、もし仮に流動性が逼迫すると、ビットコインにとっては悪影響になると話した。
また、イランでの戦争勃発以降、一部の中東諸国が脱ドル化の流れの一環としてビットコインを購入しており、イランからの仮想通貨の送金も増加していると指摘。しかし、何よりも紛争の行方により左右される流動性の状況が重要だとの見解を示す。
その他には、ビットコインの長期投資家が昨年、4年サイクルを前に利益確定で積極的に売却していたものの、ここ1か月で売却は落ち着き、以前より安定してきたとコメントした。


