複数の米メディアが3月3日に報じたところによると、米商品先物取引委員会(CFTC)のマイケル・ゼリグ委員長は同日開催のミルケン・インスティテュート・フューチャー・オブ・ファイナンスイベントで、予測市場に関するガイダンスを「近日中に発出する」と明言し、正式な規則策定手続きへの着手も表明した。
ゼリグ委員長は、市場で自己認証できるイベント契約とできないものの明確な基準を設定すること、および各商品の評価方法を定めることが規則策定の主眼だと説明した。また、近く「事前規則策定通知(ANPR)」を公表してパブリックコメントを募り、より本格的な規則策定の土台を整えると述べた。
現在CFTCの5委員ポストのうち委員長1人のみが在職しており、ゼリグ氏は単独で政策決定を進めやすい状況にある。
この方針転換の背景には、前政権期との対比がある。バイデン政権下のロスティン・ベナム前委員長のもとで、CFTCは2024年に戦争・テロ・暗殺に関連するイベント契約を「公益に反する」として制限する規則案を提案したが、今年に入ってその提案は正式に撤回された。ゼリグ委員長は予測市場を米国に不可欠なツールと位置づけ、促進的な規制環境への転換を明確に打ち出している。
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予測市場をめぐっては、過去1カ月でネバダ州やテネシー州など複数の州当局がカルシやコインベース、クリプト・ドット・コムといった主要プラットフォームに対して訴訟を提起した。CFTCはクリプト・ドット・コムを支持する法廷助言書を提出し、商品取引所法(CEA)に基づく連邦の独占的管轄権を主張しているが、各州は「プラットフォームが地元のギャンブル・ゲーム法に違反している」との立場を崩していない。
ゼリグ委員長の表明を受け、予測市場の業界団体コアリション・フォー・プレディクション・マーケッツ(CPM)は連邦規制の明確化を歓迎する声明を発表した。一方、民主党上院議員数名は先月2月13日付書簡でCFTCに対し法令の定める禁止条件を逸脱しないよう求めており、州当局側からも管轄権主張への反発が続いている。
今後の焦点はANPRの公表時期と内容だ。ANPRはあくまで正式規則策定への前段階であり、パブリックコメントの収集から最終規則の公布まで数年を要するケースも多い。
また、2024年の最高裁ローパー・ブライト判決により連邦規制機関への司法審査が厳格化されており、CEAの範囲内での規則設計が求められる。
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