暗号資産(仮想通貨)マーケットメイカーのウィンターミュート(Wintermute)は2日、同社のOTC取引のトレーダーが執筆した週間レポートを公開し、仮想通貨市場は価格変動が大きく、依然として不安定であるとの見方を示した。
米国とイスラエルによるイラン攻撃という地政学リスクに言及し、週の初めには相場の上昇も見られたが現在も不安定であると指摘。現在最も重要なのは、紛争の動向だと述べている。
レポートでは冒頭で、日本時間の2月28日に始まったイラン攻撃によってリスク回避の動きが広まったと指摘。ビットコイン( BTC )はその後に反発したが、一時6万3,000ドル(現レートで約993万円)台に下落したことに触れている。
また、今回のレポート執筆時は攻撃から3日目であるとして、ホルムズ海峡が封鎖され、対立が収まる様子は確認できないと状況を説明。原油価格の高騰、ゴールド(金)の需要の高まり、株価の下落といった複合的な材料が市場を覆っていると述べている。
そして、エネルギー価格の継続的な上昇によるインフレの影響が仮想通貨市場では正当に評価されていないと指摘。先週には仮想通貨ETFの資金フローに改善の兆しが見られたが、機関投資家のOTC取引はレポート執筆時点では低調であるとも説明した。
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他の逆風に加えて紛争が継続する状況の中、週初に相場の上昇は見られたが、市場は現在も不安定であるというのがウィンターミュートの見方。仮想通貨は、相場全体や各種の指数と比較した場合に最も価格変動が大きい資産であると指摘し、引き続き買われにくい状態が続くと分析している。
今回のレポートでは、原油価格の高騰が継続し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げなどに動きづらい状態であれば、仮想通貨に資金が流入する可能性は低いとの見方を示した。
その上で、現在は紛争の動向を最も注視すべきであると主張。特に、ホルムズ海峡の封鎖と対立がどうなっていくかが重要であるとした。
一方で、仮想通貨が買われるシナリオもあると分析。ビットコインはデジタルゴールドとしての機能を十分には果たしていないが、紛争が長期化し、従来の安全資産の価格が高騰していく中で、代替資産として買われるようになる可能性も考慮しておく価値はあると述べている。
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