米上院銀行委員会のティム・スコット委員長(共和党)とエリザベス・ウォーレン筆頭委員(民主党)らは2日、「21st Century ROAD to Housing Act」が超党派の強力な支持を得て前進したと発表した。本法案は、深刻な住宅不足の解消とコスト低減を目的とした、数十年来で最大規模の包括的な住宅政策パッケージだ。
注目すべき点として、法案の第10編(Title X)に、連邦準備制度(Fed)による中央銀行デジタル通貨(CBDC)の個人(リテール)への発行を2030年末まで禁じる条項が含まれている。これは、政府による個人の金融履歴監視やプライバシー侵害を懸念する保守派のアジェンダを反映したものだ。
背景には、国民の最優先課題である住宅供給改革に、単独では停滞していた「反CBDC」の優先事項を付随させる戦略がある。住宅購入の機会再興を掲げる本法案は、規制緩和や機関投資家による買い占め抑制など、多角的な住宅支援策を盛り込み、幅広い支持を取り付けることに成功した。
この条項により、米当局が進める公的なデジタルドルの導入は今後数年間、事実上の凍結状態に置かれることになる。一方で、物理通貨と同等のプライバシーを維持する「オープンで分散型」の民間デジタル資産(ステーブルコイン等)は禁止の対象外とされており、民間セクターによるイノベーションの余地を残す配慮もなされた。
ホワイトハウス(トランプ政権)も本法案を公式に支持しており、上院での手続き上の投票では84対6という圧倒的多数の賛成で可決された。スコット議員は「住宅供給を拡大しつつ、政府による国民の私生活への不適切な介入を防ぐ重要な一歩だ」とその意義を強調している。
法案は今後、上院での採決を経て成立に向けた最終段階に進む見通しだ。
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