仮想通貨特化ベンチャーキャピタルのドラゴンフライ・キャピタルは2月17日、第4号ファンド「ドラゴンフライ・ファンドIV」を6億5000万ドルで最終クローズしたと発表した。マネージングパートナーのハシーブ・クレシ氏がX上の公式声明で明らかにした。
ファンドIVの規模は前回のファンドIII(2022年5月クローズ、同じく6億5000万ドル)と並ぶ。ブルームバーグが2024年9月に5億ドル目標・2億5000万ドル調達済みと報じていたが、最終的に当初目標を上回る着地となった。直近の投資先にはポリマーケット、エテナ、Mesh(1月に評価額10億ドルのシリーズCで7,500万ドルを調達)などが並ぶ。
同社はこれまでも市場低迷期にファンドを組成してきた。ファンドIはICOバブル崩壊後の2018年に、ファンドIIIはテラ・ルナ崩壊直前の2022年に調達を行い、いずれもその後のリターンで好実績を残したとクレシ氏は述べている。今回の調達もセンチメントが悪化した局面と重なっており、同社の基本戦略に沿う形だ。
今回のファンドが市場に与える影響として、6億5,000万ドルという大規模資本が「金融系クリプト」分野(ステーブルコイン、DeFi、トークン化、エージェント型決済など)に集中的に流入する可能性がある。
特にステーブルコインや機関向け決済インフラ周辺のスタートアップにとって、調達環境の改善につながり得る。
クレシ氏は声明で「非金融系クリプトは失敗した」と先週発言して議論を呼んだことに触れたうえで、「その裏返しとして金融系クリプトは急拡大している。ステーブルコインは世界を飲み込みつつあり、DeFiはCeFiに匹敵する規模に成長した」と語り、投資テーゼを改めて明確にした。
同氏はAIエージェント型決済、オンチェーンプライバシー、あらゆる資産のトークン化を次の注力領域として挙げている。
今後の投資活動は機関向け決済インフラとステーブルコイン発行体を中心に展開される見通しだ。1月に完了したMeshへの出資(パラダイム、コインベース・ベンチャーズ、ペイパル・ベンチャーズも参加)はその先行事例であり、シリーズB〜C規模の案件への参入が続くと予想される。
ベアマーケット下で過去最大規模のファンドを組成したドラゴンフライの動きは、機関投資家の仮想通貨セクターへの資金配分意欲が依然として底堅いことを示している。金融系クリプトという絞り込まれた投資テーゼが実際のリターンにつながるかどうか、ポートフォリオ企業の成長が今後の注視ポイントとなる。
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