ブルームバーグは30日、複数の関係者の話として、トランプ政権がケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)元FRB(米連邦準備制度理事会)理事を次期FRB議長に指名する準備を進めていると報じた。
トランプ大統領は29日夜、記者団に対し「明日(30日)朝にFRB議長を発表する」と述べており、ウォーシュ氏の指名が濃厚となっている。ブルームバーグによれば、同氏は29日にホワイトハウスを訪問しており、予測市場では指名確率が85%を超えている。
ウォーシュ氏(55歳)は2006年から2011年までFRB理事を務め、2008年の金融危機ではベン・バーナンキ議長の側近としてウォール街との連絡役を担った。現在はスタンフォード大学フーバー研究所の特別研究員。
ウォーシュ氏は長年、量的緩和(QE)に批判的な立場を取ってきた。2008年の金融危機直後の第1弾QEは支持したものの、その後の追加緩和策には強く反対し、2011年に第2弾QEの開始直後にFRBを辞任している。彼はQEを「逆ロビンフッド」と呼び、資産保有者に有利で格差を拡大させると批判していた。
一方、ここ数ヶ月でウォーシュ氏は利下げ支持を表明するようになった。AIによる生産性向上がディスインフレをもたらすため、積極的な利下げが正当化されると主張している。
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ウォーシュ氏の仮想通貨に対する見解は、時期によって変化が見られる。
投資家としては、2018年にアルゴリズム型ステーブルコインプロジェクトBasisに、2021年には仮想通貨運用会社ビットワイズに投資しており、現在もビットワイズのアドバイザーを務めている。
また2021年1月のCNBCインタビューでは、「ビットコインは現在の経済環境においてポートフォリオの一部として意味をなす」と述べ、金のような「新しい金」として評価していた。
しかし、2022年11月のウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿では、民間仮想通貨を「通貨を装ったソフトウェア」と表現し、「暗号通貨(cryptocurrency)は誤った呼称だ。秘密でもなければ、通貨でもない。ソフトウェアである」と切り捨てた。
さらに、民間仮想通貨よりも米国の中央銀行デジタル通貨(CBDC)の創設を支持しており、これはトランプ氏のビットコイン支持的な姿勢と真っ向から対立する。
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