仮想通貨オンチェーン分析企業のクリプトクアントは今週、ビットコイン( BTC )の需要成長が明確に鈍化し、弱気相場への移行を示していると分析した。同社のレポートによると、2023年以降に見られた3つの主要な需要拡大の波が終息し、10月上旬から需要成長がトレンドを下回る状態が続いている。
需要拡大の波は米国の現物ETF承認、大統領選挙の結果、ビットコイン保有企業の増加によって引き起こされた。同社は今回の需要減速により、価格を支える主要な要因が失われたと指摘している。
機関投資家と大口保有者の需要が縮小に転じている。米国のビットコイン現物ETFは2025年第4四半期に約24,000BTCの純売却を記録し、前年同期の強い買い越しから一転した。100から1,000BTCを保有するアドレスの成長率もトレンドを下回っており、2022年の弱気相場前に見られた状況と類似している。
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デリバティブ市場でもリスク選好の低下が確認されている。パーペチュアル先物市場のファンディングレートは365日移動平均で2023年12月以来の最低水準まで低下した。クリプトクアントによると、ファンディングレートの低下はロングポジション保有意欲の減退を示し、強気相場ではなく弱気相場で一貫して観察されるパターンだという。
また、ビットコイン価格は365日移動平均を下回り、強気相場と弱気相場を分ける重要な技術的サポートレベルを割り込んだ。同社は価格サイクルが半減期ではなく需要サイクルによって決定されると強調している。
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クリプトクアントはビットコインの下値目標として70,000ドル水準を想定し、勢いを取り戻せない場合は56,000ドルまでの下落もあり得るとしている。同社のリサーチ責任者フリオ・モレノ氏はザ・ブロックの取材に対し、70,000ドルへの到達は3から6カ月以内、56,000ドルは2026年後半になる可能性があると述べた。
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歴史的にビットコインの弱気相場底値は実現価格と一致しており、現在は56,000ドル付近に位置する。これは直近の最高値から約56%の下落を意味する。
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