米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は15日、SECの仮想通貨タスクフォースが開催した「金融監視とプライバシーに関する円卓会議」で講演した。
アトキンス氏は、パブリックブロックチェーンは取引と送信者を結びつける点で極めて効果的であると指摘した。しかし、規制当局が過度な監視を行えば、仮想通貨が「これまでに発明された最も強力な金融監視システム」(the most powerful financial surveillance architecture ever invented)になる恐れがあると警告した。
同氏は、国家安全保障と個人のプライバシー保護のバランスを取る道筋は存在するが、政府の過度な介入は危険だと述べた。
アトキンス氏は「合法的な市民活動を大規模監視から守りつつ、政府が重要な機能を果たせるようにすることが、国家安全保障と基本的な市民の自由の両方を守り、イノベーションが繁栄する余地を与える最善の方法だ」と締めくくった。
今回の円卓会議には、プライバシー重視のブロックチェーンプロジェクトであるジーキャッシュやアレオ、業界団体のブロックチェーン・アソシエーション、市民自由団体のACLU(米国自由人権協会)などの代表者が参加した。ブロックチェーンインフラにおけるプライバシーの役割や金融監視の規制枠組みについて議論が行われた。
トランプ政権は今年1月、デジタル金融技術における米国のリーダーシップ強化を掲げる大統領令を発令した。大統領作業部会は7月に発表した報告書で「プライバシーに関する市民の自由保護と、個人がパブリックブロックチェーン上でプライベートに取引する能力を支持する」と結論づけている。
SECの今回の姿勢は、政権のこうした方針と軌を一にするものとみられる。
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