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ブータン政府が320ETHをステーキング、BTC保有と併せ仮想通貨準備金戦略を拡大

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ヒマラヤ山脈の南麓に位置するブータン王国が、Figmentを通じて320 ETH(約1億5,000万円相当)をステーキングしたことがオンチェーンデータで確認された。Figmentは機関投資家向けのステーキングインフラプロバイダーで、1,000以上の機関投資家にソリューションを提供している。

この措置によりブータンは、イーサリアムネットワークのセキュリティ確保に貢献しつつ、ステーキング報酬を得ることが可能になる。

ブータンは今年10月に、国民デジタルID(NDI)プラットフォームをイーサリアムブロックチェーンに統合した。国家規模のID管理システムを公開ブロックチェーンに接続したのは、世界初の試みとなる。

イーサリアム財団の宮口あや氏によると、この取り組みにより、2026年までにブータンの全国民約80万人が、自身のデバイスから直接管理でき、検証可能なブロックチェーンで保護されたIDを保有することになるという。

NDIは、2023年にW3C標準を用いて開始され、ブータン皇太子ジグミ・ナムゲル・ワンチュク氏が同国初のデジタル市民となった。2024年に同システムは一旦ポリゴンに移行したが、政府はイーサリアムへの移行によって、デジタルIDのセキュリティと安定性がさらに強化されると判断した。イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏は分散型IDが人々にデータの安全な管理権を与えると評価している。

関連: ブータンが国民IDシステムをイーサリアムに導入、世界初の事例に

ブータン王国は国土の半分が2,000m以上という山岳国家で、主要産業は水力発電と観光業、そして農林業となっている。GDPは29億ドル(2022年:世銀資料)、一人当たりのGDPは3,600ドルであり、国際機関の公式分類では開発途上国と分類されている。

しかし、ブータンはGDPに代わる「Gross National Happiness(国民総幸福量)」を国是として掲げ、経済多様化のためブロックチェーン技術を国家戦略の柱と位置付けている。近年はビットコイン価格の上昇も追い風となり、その革新性は世界からも注目を集めている。

政府系投資ファンドDruk Holding & Investments(DHI)は、同国の豊富な水力発電資源を利用して、2019年からビットコインのマイニングを開始した(当時のBTC価格は約69万円)。2023年頃よりマイニング事業をさらに拡大し、2024年にはビットコインマイニング企業Bitdeer(ビットディア)と提携して、マイニングに使う電力容量を6倍に増強すると発表した。

ブロックチェーン分析企業Arkhamによると、同国がマイニング事業によって獲得したビットコインは、2024年9月時点で1万3,011BTCに達した。DHIはマイニングの他にも暗号資産(仮想通貨)取引を行っていることが明らかになっており、Arkhamのデータによると、現在ブータンが保有するビットコイン( BTC )は6,154 BTC(876億円相当)に減少しているが、それでもGDPの約19%に相当する。

ブータンは、主要産業の一つである観光業にもブロックチェーン技術を取り入れている。仮想通貨取引所最大手バイナンスは今年5月、観光産業の決済システムに、同社の決済ソリューション「Binance Pay(バイナンスペイ)」が導入されたと発表した。国家レベルの産業決済システムに仮想通貨が対応するのは世界初の事例となる。

当局の発表によると、すでに1,000以上の店舗がバイナンスペイに加盟しており、ブータン旅行の利便性が高まると期待されている。バイナンスペイはBNBをはじめ、ビットコインやステーブルコインのUSDCなど100種類を超える仮想通貨に対応している。

また、同国の特別行政区、ゲレフ・マインドフルネス・シティ(GMC)は今年1月、戦略的準備金の一部としてビットコイン、イーサリアム、BNBなどの仮想通貨を採用する計画を発表した。GMCは仮想通貨関連の法律や規制の枠組みを前年に整備済みで、仮想通貨を戦略準備金に加えることで、同区の経済的回復力の強化とビットコインマイニングの進展を見込んでいる。

関連: ブータン、国家の観光決済にバイナンスペイ導入BNB・BTCなど100種類以上の仮想通貨に対応

関連: ブータン特別行政区「GMC」、ビットコインなどの仮想通貨の準備金保有を検討

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