エルサルバドル国家ビットコイン局の発表によると、同国政府は市場下落局面を利用して1,098.19BTCを購入し、総額約1億ドル(約155億円)相当に達した。この購入により、エルサルバドルのビットコイン保有高は合計7,474.37BTC( BTC )となり、時価約6億7,800万ドル(約1,051億円)相当となった。
同国は2021年にビットコインを法定通貨として採用して以来、市場の価格変動を活用して戦略的にビットコインを蓄積してきた。過去30日間で1,121.19BTCを追加するなど、長期的なドルコスト平均法による積立戦略を継続している。
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ビットコイン市場は10月に12万6,000ドル付近の史上最高値を記録した後、調整局面に入っている。執筆時点では9万ドルを割り89,924ドル前後で推移しており、10月に記録した過去最高値(126,080ドル)から大きく値を下げている。
こうした局面での購入は、ブケレ大統領が過去にも「押し目を買った」と公言してきた戦略の継続であり、価格変動に動じない姿勢を改めて示した形だ。
しかし、エルサルバドルの積極的なビットコイン戦略は順風満帆ではなかった。同国は2021年にビットコインを法定通貨として採用したが、国民の利用率は低迷し、2024年の調査では92%が利用していないことが判明した。
国際通貨基金(IMF)からの圧力もあり、同国は2025年1月にビットコイン法を改正し、事業者による受け入れを任意とするなど、法定通貨としての地位を事実上撤廃した。
それでもブケレ政権は戦略的準備資産としてのビットコイン蓄積を継続しており、今回の購入でIMF合意後も方針を変えない姿勢を改めて示した。
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