米ウォール街の伝説的なヘッジファンドマネージャーであるスタンリー・ドラッケンミラー氏が運営するデュケイン・キャピタルは11月15日、第3四半期の13F報告書で、ブロックチェーン融資企業フィギュア・テクノロジー・ソリューションズの株式210万株超を取得したことを明らかにした。同ポジションは約120億円相当で、ポートフォリオの1.9%を占めている。
ドラッケンミラー氏は投資業界で最も成功したヘッジファンドマネージャーの一人として知られる。同氏のヘッジファンドであるデュケイン・キャピタル・マネジメントは閉鎖時に1.8兆円を運用していた。1992年には著名投資家ジョージ・ソロス氏とともに英ポンドのショートで「イングランド銀行を破綻させた」ことで有名で、1,550億円超の利益を得ていた。
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フィギュアは2018年にソーファイ(SoFi)共同創業者のマイク・カグニー氏が設立したフィンテック企業で、ブロックチェーン技術を活用して消費者融資、資本市場、資産管理を革新している。2025年にナスダックで新規株式公開(IPO)を実施し、7億8,700万ドルを調達して時価総額50億ドル超を達成した。現実資産トークン化(RWA)を中核事業とする初の上場企業となった。
フィギュアの他、デュケイン・ファミリー・オフィスは第3四半期に、アマゾン、アルファベット、メタ・プラットフォームズの大手テック株にも新規ポジションを構築した。アマゾンには約9,500万ドル、アルファベットには約2,500万ドル、メタには約5,600万ドル相当の株式を取得。これら3社はいずれもハイパースケーラーと呼ばれる世界最大級のクラウドデータプロバイダーで、エヌビディアのGPUや液冷サーバーを含む人工知能インフラへの最大の支出者だ。
一方、ドラッケンミラー氏は2024年第3四半期にエヌビディアの持ち株を全て売却し、2025年第1四半期にはパランティアのポジションも解消した。第3四半期にはブロードコムとマイクロソフトの持ち株も売却している。これらの動きは、AIインフラよりもAIを活用して消費者にサービスを提供する企業を好む姿勢を示唆している可能性があるとザ・ストリートは分析した。
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