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「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想

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暗号資産(仮想通貨)著名アナリストのアーサー・ヘイズ氏は18日、ビットコイン( BTC )の最近の価格下落は米ドルの流動性低下が原因になっているとする記事を発表した。今後の下落幅や上昇幅も予測している。

10月初旬以降、ビットコインは史上最高値から約25%下落しているが、ヘイズ氏はこの下落は政治的な要因によるものではなく、米ドル流動性の縮小によるものだとしている。

米国の金融市場で流動性が急激に低下している主因は、10月1日〜11月4日の連邦政府閉鎖による短期国債(Tビル)発行の5週間停止、FRBのQTによる銀行準備預金が9月から11月中旬までに約3,000億ドル急減して3兆ドルを割り込んだこと、大規模な国債入札決済(11月13〜15日)と四半期末・月次オプション満期・法人税納付が重なったこと、そしてビットコインなど仮想通貨のレバレッジ清算19億ドルがドル需要を一気に高めたことなどが、ほぼ同時に発生したためである。これによりレポ金利(買戻し条件付き売買金利)が急騰し、銀行が現金を手放さず抱え込む「現金争奪戦」が起きており、市場参加者は「QT終了(12月1日予定)とTビル供給回復で12月に入れば緩和する」と見ているが、今週がピークの逼迫とみられている。

ヘイズ氏は4月9日から現在までの期間で、米ドル流動性指数が10%低下したにもかかわらず、ビットコインは12%上昇していたと指摘した。

この乖離は、ビットコイン現物ETFへの資金流入と、ストラテジー社などデジタル資産トレジャリー(DAT)企業による買い増しによって一時的に支えられていたとする。

その上で、ETFへの最大の資金流入の多くは、長期的な機関投資家による採用ではなく、ヘッジファンドによるベーシス取引、つまりビットコインETFを購入しながらCMEビットコイン先物を空売りすることでスプレッドを稼ぐ取引によるものだと指摘した。

スプレッドが縮小するにつれて、これらの投資家がポジションを減らしたことが、ETFからの多額の資金流出につながったと分析している。また、DATも株式のプレミアムが純資産価値に対してディスカウントに転落したため、ビットコインの購入活動を鈍化させたと続けた。

ETFとDATによる流動性が減じたため、米ドル流動性収縮の影響が表面化してビットコインが下落しているとの見方だ。

ヘイズ氏は、今後の市場動向は、トランプ政権が新たな流動性を注入できるかどうかにかかっていると述べる。

その上で、自身はトランプ政権がインフレ対策に断固とした姿勢を示しながらも、紙幣を印刷する方法を見つけることに自信を持っていると続けた。

長期的には紙幣増刷により米ドルの流動性が供給されると見る一方で、市場は流動性のファンダメンタルズと整合するためには、短期的に4月以降の上昇分を調整する必要があるとも意見した。

ヘイズ氏は、仮想通貨価格の下落を予想し、週末に米ドル建てステーブルコインのポジションを増やしている。

関連: アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か実際の価値提供が必要との意見も

ヘイズ氏は、ビットコインが9万ドル台前半に下落していることは、市場心理の悪化を示唆していると指摘。今後それが加速すれば、株式市場が10~20%調整し、10年債利回りが5%に近づくことで、FRBや米財務省が紙幣印刷の計画を開始する緊急性が生まれるだろうと述べた。

そうした状況になった場合、ビットコインは8万ドル~8万5,000ドルまで下落する可能性があるとしている。

一方で、リスク資産市場が一度急落し、FRBと財務省が紙幣印刷を加速させれば、ビットコインは年末までに20万ドル~25万ドルに向けて急騰する可能性があるとも見解を示した。

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