プーチン露大統領顧問が米国批判「仮想通貨を国家債務削減に利用」
ロシアのプーチン大統領の顧問を務めるアントン・コビャコフ氏は6日、米国政府はステーブルコインなどを利用して国家債務を削減しようとしているとの見解を述べた。
ロシアのウラジオストクで開催された東方経済フォーラムでの発言だ。Russia Directなどが報じた。コビャコフ氏は、次のように話している。
具体的には、米国の国家債務の一部がステーブルコインに転換されれば、米国の債務が減少すると指摘している。
コビャコフ氏は、米国が1930年代や1970年代と同様に、世界を犠牲にして金融問題を解決しようとしていると批判する格好だ。
米国が、1930年代にゴールドに対する米ドルの価値を引き下げたり、1970年代にドルとゴールドの交換を停止することにより、米国の対外債務が実質的に切り下がったことに言及しているとみられる。
米国では、トランプ政権が米ドル建てステーブルコインを促進しようとしている。トランプ大統領は7月に「ジーニアス法」に署名し成立させた。これは、ステーブルコインの発行と取引のための明確な枠組みを提供するものだ。
特に、スコット・ベッセント米財務長官は、ステーブルコインは米ドルの覇権を弱めるのではなく、強化するのに役立つ可能性があるとの見解を示している。
5月には、ステーブルコインの規制を整えることで、短期的な見積りだけでも「米国債および財務省短期証券への需要を2兆ドル(約295兆円)規模で生む可能性がある」と話していた。
米ドル建てステーブルコインの多くが、裏付け資産として米国債を大量保有していることが背景にある。
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コビャコフ氏は今回、米国の動きを指摘し「これが、仮想通貨に熱心な人々にとっての現実だ」と皮肉な発言を付け加えた。
ただ、その一方でロシアもステーブルコインへの取り組みを始めている。ロシアの国営企業ロステックは7月、今年中に仮想通貨トロン( TRX )ベースのルーブル建てステーブルコイン「RUBx」を発行すると発表した。
さらに、銀行インフラに統合され、将来的に革新的な金融サービスの基盤となることも期待される決済プラットフォーム「RT-Pay」も立ち上げる計画だ。
ウクライナ侵攻による経済制裁を回避することも目的の一つとして、仮想通貨を国際貿易に利用するロシア企業は増えている。
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