「ドン・キホーテ」運営のPPIH、オンチェーンでデジタル証券発行へ 若年層支援の仕組み
デジタル証券(ST)の発行・管理サービスを提供するSecuritize Japan(セキュリタイズジャパン)は13日、ディスカウントストア「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)によるデジタル社債発行を支援すると発表した。
社債を購入できるのは、PPIHグループのクレジットカード「UCSカード」会員限定だ。また、利払いをPPIHグループで使える電子マネーmajicaポイントで行うため、majica番号付帯のカード限定となる。
募集金額は1億円の1年債となり、税引き前利率は1%(金銭0.3%、majicaポイント0.7%)だ。
このデジタル債には、若年層応援の仕組みも備わっている。24歳以下の社債購入者には、購入口数などによりmajicaポイント付与を予定。また、PPIHは社債によって得た資金を国内若年層への支援金として活用する計画だ。
現在のスケジュールによると、申込期間は6月13日から始まり、償還日は8月8日とされている。今回のデジタル債は原則として売却はできないため、購入者は発行後約1年後に予定される満期まで保有することになる。
PPIHは、「ドン・キホーテ」の他、モール型ショッピングセンター「アピタ」、総合スーパー「ピアゴ」などを運営しており、若年層が多く来店。従業員としても多数の学生が働いているとして、次のように述べた。
日本経済新聞によると、社債で調達した資金は、学生のスポーツや文化団体などの援助、海外店舗で実施する学生インターンの受け入れなどに充てる見込みだ。
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ここ数年、日本におけるデジタル証券(セキュリティトークン)の発行が増えてきた。
例えば、トヨタファイナンシャルサービスは2月、トヨタグループ初となるセキュリティトークン社債を発行した。トヨタのスマートフォン決済アプリ「TOYOTA Wallet」を通じて特典を提供し、グループの事業や活動への共感を促す狙いもある。
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また、昨年2月には大和証券グループ、三菱UFJ信託銀行、楽天証券などの国内企業が、電子マネーで全額利払いを行うセキュリティトークン社債の発行で協業を始めた。
ほふり(証券保管振替機構)を介する通常の振替債での利息付与は金銭のみだが、デジタル債という新技術では利息付与に電子マネーを利用することも可能だとメリットを説明していた。
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