ウォルマート・アマゾンが独自ステーブルコイン検討、競争激化でビザとマスターカード株価急落
ウォルマートやアマゾンなど米大手小売企業が独自ステーブルコイン発行を検討していることが、ウォール・ストリート・ジャーナルの13日報道で明らかになった。エクスペディア・グループや航空会社を含む多国籍企業も同様の取り組みを協議中とされる。
小売企業がステーブルコイン決済を導入すれば、従来の決済システムを迂回して年間数十億ドルの手数料削減が可能となる。カード決済時の交換手数料や決済完了までの遅延問題も解決され、特に海外サプライヤーとの取引で効果が期待される。
この動きを受けてビザとマスターカードの株価は13日に約5%下落した。ビザはダウ工業株30種平均で2番目の下落率を記録し、従来の決済業界への影響が懸念されている。
非金融機関によるステーブルコイン発行の実現には「Genius Act」と呼ばれる法案の成立が前提となる。同法案はステーブルコインの規制枠組み確立を目指しており、今週手続き上の関門を通過したが上下両院での承認が必要だ。小売業界団体は法案成立に向けてロビー活動を展開している。
一方、JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカなど米大手銀行も5月に、IT・小売企業の参入に対抗するため共同でのステーブルコイン発行を検討中と報じられた。
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