4回目半減期から1年経過 ビットコイン、市場成熟と基盤強化進む=レポート
米フィデリティ・デジタル・アセットは、「2024年ビットコイン半減期:1年後」と題したレポートで、全体としてビットコイン( BTC )が成熟期を迎えている可能性があると指摘した。
2024年4月19日のビットコイン4回目の半減期から1年が経過し、ビットコインは統合、ネットワークの回復力、機関投資家による採用の増加を示す兆候が見られ、構造的な指標から基盤の強化が読み取れるとレポートはまとめた。
一方で価格動向の面からみると、2025年4月15日時点でビットコインは83,671ドルで取引されており、半減期当日(2024年4月19日)の63,762ドルから31%の上昇となった。これは過去の半減期サイクル(2回目の半減期後1年で300%上昇、3回目は8,591ドルから57,341ドルと567%上昇)に比べると控えめな上昇率となっている。
歴史的に見ると、第5エポック(4回目の半減期=2024年から次回の半減期=2028年までの期間)では、この時期が強気相場の真っ只中となると予想されたが、このサイクルはより慎重に進展しているとフィデリティは分析。このようなビットコインの低調なリターンは、市場が外部要因による追い風と逆風を消化しつつあることを反映している可能性が高いとした。
また、ビットコインが資産として成熟するにつれて、価格が劇的に変動する可能性も低くなると付け加えた。
しかし、現在ビットコイン価格は再び10万ドルを超えて推移しており、レポートは他の資産が停滞する中でビットコインの独自性が際立つ「デカップリング」現象が起きたとしている。
ステーブルコインを除くビットコインのドミナンスは、2025年5月11日時点で72.4%に達し、2017年3月(1,000ドルの価格帯)以来8年ぶりの高水準を記録した。半減期後のドミナンスは64%から72%へと13%上昇し、イーサリアム(-56%)やソラナ(-25%)のシェアが低下する一方で、ビットコインの優位性が際立っている。
一方で、その他全ての暗号資産(仮想通貨)の市場シェアは9%から15%に増加していることから、市場の断片化が進んでいるが、ビットコインに代わる明確なリーダーは現れていないことを示している。
ビットコインのネットワークの状況としては、2025年4月に1日あたりのハッシュレートが、史上初めて毎秒1ゼッタハッシュ(1ZH/s)を2度突破した。これは、マイニングインフラへの継続的な投資を反映している。
一方、マイナーの期待収益の指標であるハッシュプライスは、分配報酬と手数料の減少により2024年4月から約60%下落した。しかし、このような状況においても、30日平均ハッシュレートとマイニング難易度は約40%上昇していることから、マイナーやネットワークに対する投資家の長期的な信頼が維持されているとフィデリティは見ている。
レポートは、ビットコインの価格動向は、過去のサイクルと比較すると鈍化しているように見えるが、ビットコインのファンダメンタルズは「かつてないほど強固になっている」と指摘。その理由として、市場ドミナンスの上昇、ネットワークの成長、機関投資家だけではなく国家レベルでの関心が高まっていることを挙げ、次のように総括した。
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