NEXPACE CEO独占インタビュー:メイプルストーリーNのWeb3戦略と日本展開
2025年5月15日、ファン待望の人気MMORPG最新作であるメイプルストーリーNがローンチした。
そのエコシステムであるメイプルストーリー・ユニバース(MSU)は、ブロックチェーン技術を活用してゲーム内経済を刷新し、NFT(非代替性トークン)やトークンを組み込んだ新しいゲーム体験を提供するなど、ネクソンのエコシステム全体を指す。
今回、メイプルストーリーNを開発・展開するNEXPACEのSunyoung Hwang CEOに独占インタビューを実施した。プレイヤーの収益化モデル、独自のトークンエコノミクス、そして日本市場への展望について伺った。
メイプルストーリーNでは、ボスレイド、アイテムハンティング、各種ミッションのクリア報酬などの基本的なゲームプレイを通じてNFTを獲得できます。これらのNFTはユーザーの需要とオンチェーン上の所有権に基づいてミント(アイテム生成)され、メイプルストーリー・ユニバースのエコシステム内で取引可能です。
獲得したNFTは、ゲーム内で使用するだけでなく、「Fusionシステム(NFTをNXPCトークンに戻すことができるシステム)」を通じてNXPCトークンと交換したり、専用マーケットプレイスで他のプレイヤーと売買することも可能です。
NXPCトークンは、NFTアイテムの作成と交換の両方に使える基軸通貨で、プレイヤーはゲームで獲得したアイテムをNXPCに交換し、そのNXPCで新たなアイテムを入手できる循環型の経済システムを実現しています。
NFTの供給量に上限を設けることで、後発プレイヤーにもレアアイテム獲得のチャンスが生まれるのは事実です。しかし、アイテム数量を制限する目的は、新規プレイヤーの利益を保証することではなく、MMORPGにおいてアイテムの価値を長期的に維持するためです。
メイプルストーリー・ユニバースでは、アイテムの数を限定することでレアアイテムの価値を守っています。これは、従来のゲームでアイテムが無限に増えて価値が下がる問題を解決する仕組みです。すべてのNFTは決められた上限数までしか作られず、ゲーム内で希少性を持っています。
プレイヤーはアイテムの獲得に多大な時間とリソースを投資しており、価値の維持はゲーム体験にとって不可欠です。
「NXPC Fission」と「Item Fusion」という2つのメカニズムが、限定NFTの流通を管理します。FissionでプレイヤーはNXPCをNFTと交換でき、FusionでNFTをNXPCに戻すことができます。NFTの供給は個々のサーバーではなく、グローバルに管理されているため参入時期に関係なくプレイヤーの努力が公平に報われる仕組みを実現しています。
従来のゲームでは、開発者がアイテムを無限に発行して利益を得る一方、プレイヤーは価値下落のコストを負担するという問題がありました。
メイプルストーリー・ユニバースは、すべてのアイテムに固定の総供給量を設定し、NFTはプレイヤーのアクションに限定して発行・回収される仕組みを採用しています。さらに、Synergy Appsという分散型アプリケーションを通じてNFTの用途をゲーム外にも拡大でき、供給量の制限と用途の拡大を組み合わせることで価値を自然に維持する設計となっています。
メイプルストーリー・ユニバースは、オリジナル版の良さを活かしながら進化しています。プレイヤーが慣れ親しんだビジュアルやゲームプレイを維持しつつ、NFT所有権などのブロックチェーン機能をシームレスかつオプションで追加しました。
暗号資産の知識がなくても参加できるよう、ガススポンサーシップ(取引手数料をNEXPACEが負担する仕組み)や使い慣れたUIを採用。Web3機能は選択した人のみが利用する設計です。一方で、Web3ユーザーには高度な取引機能やDApps連携を提供します。
重要なのは、すでに存在していた非公式のアイテム取引市場を、安全で透明性のあるオンチェーン取引に移行させたことです。
日本は金融庁の明確なガイドラインの下、Web3プロジェクトにとって信頼性が高い戦略的市場となっています。
NEXPACEにとって日本での取引所上場は流動性確保だけでなく、メイプルストーリーに愛着を持つユーザーとのエンゲージメントを深める機会でもあります。NXPCはメイプルストーリー・ユニバース内でユーザー主導の経済を支える基盤として機能しており、その非インフレ設計と保護措置を考慮しながら、文化的、戦略的に重要である日本市場への展開を検討しています。
日本を含む高い規制基準を持つ地域での展開に向け、持続可能で透明な基盤構築を優先事項として進めています。
今回のインタビューを通じて、メイプルストーリーNが単なる「Play-to-Earn(P2E)」ゲームではなく、20年以上の歴史を持つIPの進化形として設計されていることが明らかになった。
特に注目されるのは、開発者とプレイヤーのインセンティブを調整し、長期的な価値維持を目指すトークンエコノミクスだ。
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