米中関税協議の進展に期待感、ビットコイン過去最高値に迫るも不確実性残る
米中両国はスイス・ジュネーブで10日から11日にかけて関税問題を巡る閣僚級協議を実施し、「大きな進展」があったことが明らかになった。この進展は、世界経済の不確実性を和らげる可能性があり、暗号資産市場へのポジティブな影響も期待される。
ベセント米財務長官は11日、「極めて重要な貿易協議において大きな進展があった」と発表。中国側の何立峰副首相も「重要なコンセンサス」に達し、新たな経済対話の枠組み設置で合意したと表明した。
一方で、詳細は12日の共同声明を待つ必要があり、具体的な合意内容は明らかになっていない。トランプ大統領は完全なリセットに言及する一方で、これまでの対中発言では一貫性を欠いている点が市場関係者の懸念材料だ。
中国が譲歩しない限り関税を引き下げないと主張する一方、対中関税は「80%が適切」とも発言するなど、方針の揺れが見られる。
米中間の報復関税合戦は金融市場を動揺させ、米国内でインフレ懸念を高めていた。
暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン( BTC )は前日比+0.37%の1BTC=104,000ドルに。
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Rekt Capitalは、「ビットコインの週足終値が104,500ドルを上回っており、ブレイクアウトの一歩手前」との認識を示した。
2023年から2025年までのビットコイン価格推移が週足で示される中、過去の価格サイクルで確認されたパターンが複数回繰り返されている点に着目している。
チャート上では、オレンジ色の円で囲まれたレンジ相場の後に上昇が起きるパターンが明確に示されており、現在のビットコインも同様のパターン形成中であることを視覚的に伝えている。
トランプ政権発足時期の今年1月に記録した1BTC=109,300ドルの過去最高値を更新した場合、価格発見フェーズの第2段階に入ると言及。さらなる上昇モメンタムが生まれる可能性を示唆した。
ビットコインの市場価格回復を受け、資金抜けの激しかったアルトコインの買い戻し機運が高まった。特にイーサリアムは直近で大幅な価格回復を見せ、2,000ドル以下から2,700ドル近くまで急伸した。
著名アナリストのピーター・ブラント氏が、イーサリアム(ETH)の月足チャートでテクニカル分析を解説。現在のチャートパターンは、レンジ相場で揉み合った末の急騰を支持する可能性があると分析した。
オンチェーンデータからは、1万〜10万ETHを保有するクジラ(大口投資家)が、過去数年で最大規模の蓄積フェーズに入っていることも確認された。積極的な買い集めは、イーサリアムの中期的な上昇見通しへの確信を示している。
また、「ペクトラ」アップグレード実施後、ETHのステーキング活動が顕著に増加。ステーキング契約にロックされるETHの増加は、ネットワークの長期的な持続可能性への信頼感を反映すると同時に、市場流通量の減少による価格押し上げ要因となっている。
実世界資産のトークン化で実需拡大の観点からは、イーサリアム上でトークン化された米国債が5月だけで12%急増し、初めて50億ドル規模に到達した。
この実世界資産(RWA)のトークン化拡大は、機関投資家によるイーサリアム基盤の採用が加速していることを示しており、ネットワークの実用性と信頼性を証明している。
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