ニューヨーク証券取引所(NYSE)は2日、開設を計画するトークン化証券の取引市場に、ブロードリッジ(Broadridge)、コンピューターシェア(Computershare)、エクイニティ(Equiniti)、スーパーステート(Superstate)の4社が名義書換代理人として加わると発表した。
NYSEはすでにセキュリタイズ(Securitize)とtZEROと契約を結んでおり、提携先は計6社となった。
名義書換代理人は、上場企業に代わって株主名簿を管理する専門業者で、名義変更や配当の支払い、議決権行使といった株主事務を担う。日本の株主名簿管理人に近い役割だ。NYSEによると、新市場で扱うトークン化株式はいずれも従来の株式と代替可能で、保有者は他の株主と同じ配当や議決権を得る。
NYSEによると、ブロードリッジとコンピューターシェア、エクイニティの3社は合わせて約5,000社の上場企業を顧客に持ち、S&P500構成企業の約99%の株主事務を手がける。セキュリタイズやスーパーステートは、トークン化資産の発行や管理を専門とする企業だ。
ブロードリッジは同日、NYSEの新市場にオンチェーンの株主ガバナンス機能とデジタル名義書換サービスを提供する計画を発表した。NYSEは同社のスマートコントラクトを使い、トークン化証券を株主総会の議案や議決ルール、検証可能な投票結果と結びつける。投資家は対応ウォレットや証券会社の画面、同社の議決権行使システム「ProxyVote」から投票できる。
ティム・ゴーキーCEOは、同社が「トークン化株式のガバナンス層」を築いていると説明した。株式がどのように取引され、どこで保有されていても、デジタルと従来型の名義書換・議決権行使サービスを一体で提供するという。NYSEグループのリン・マーティン社長は、トークン化によって発行企業と株主の関わり方が変わる可能性があると述べた。
NYSEの親会社インターコンチネンタル取引所(ICE)は1月、この新市場の構想を公表していた。既存のマッチングエンジン「Pillar」とブロックチェーン基盤の決済・保管システムを組み合わせる。
24時間365日の取引や即時決済、金額指定での注文、ステーブルコインによる資金拠出に対応する計画だ。対象は米国上場の株式とETFで、今回の発表では、第三者がカストディするトークンと発行体主導のトークン化証券の2種類を扱うとしている。
今回の発表でも、取引開始の時期や最初に扱う銘柄、対応するブロックチェーンやステーブルコインは明らかにされていない。新市場の開設には規制当局の承認が必要となる。


