米DeFi教育財団(DEF)と調査会社イプソス(Ipsos)は27日、全国調査「金融の現状と未来:米国人の視点」を公表した。調査は9月8〜16日に米国の18歳以上の成人1,545人を対象に実施し、誤差は±2.8ポイント。既存の金融システムへの不信感が強い一方で、仮想通貨やDeFi(分散型金融)は認知度も信頼度も低いことがわかった。
現在の米国の金融システムを安全だと考える人は19%だった。63%は、サイバー犯罪やAI(人工知能)といった新たな脅威に対処するため、システムの刷新が必要だと答えた。
自分のデータや資産を自ら管理したいという声も強い。実際に資産をコントロールできていると感じる人は49%で、74%が金融プライバシーを重視している。
80%は、個人データをより自由に管理できるよう金融システムを変える必要があるとし、74%は資金や資産の管理の自由度を高める改革が必要だと考えている。資金にいつでもアクセスできることを望む人も66%いた。
既存の金融機関への信頼度も高くはない。「全面的に信頼している」または「かなり信頼している」と答えた割合は、最も高い信用組合(Credit Unions)でも48%で、前年の53%から5ポイント低下した。大手全国銀行は42%、地域・コミュニティ銀行は41%だった。
中央集権型のフィンテック企業を全面的に、またはかなり信頼している人は21%、オンライン専業銀行は18%だった。
既存システムへの不満が高まるなかでも、仮想通貨やDeFiは十分に認知されておらず、信頼も得られていない。
中央集権型取引所(CEX)を「高く信頼している」と答えた人は4%、DeFiプラットフォームは5%だった。伝統的な金融機関と比べて大幅に低く、仮想通貨業界への不信感は根強い。
仮想通貨を保有・利用したことがある人は22%で、2025年の18%から4ポイント上昇した。ただし、過去12ヶ月に利用した人は13%で横ばいだった。今後保有する可能性があると答えた人は17%(6人に1人)で、2025年の16%とほぼ変わらない。利用経験者が仮想通貨を試した最大の理由は「好奇心」で、34%だった。
仮想通貨について学びたいと答えた人は16%いたが、仮想通貨について詳しいと答えたのは9%。35%は仮想通貨を「どのように説明すればよいか分からない」としている。
質問の表現による回答の差も大きかった。米国の中間選挙を意識し、「次世代の金融技術を米国で構築することを候補者が支持すべきか」と尋ねたところ、35%が重要だと答えた。ところが、同じ質問に「ブロックチェーン」「仮想通貨」「分散型金融(DeFi)」という具体的な用語を入れると、重要だと答えた割合は13%に減った。
ジャーナリストのエレノア・テレット氏はこの結果について、「2026年現在、仮想通貨は依然としてブランディングの課題を抱えており、一般米国人に価値を証明する道のりは長い」と指摘した。
同氏は、米ベンチャーキャピタルのa16zが仮想通貨ファンド「a16zクリプト」を「a16zフロンティア」に改称し、AIなどを含むフロンティア技術へ投資対象を広げた動きにも言及。企業が「仮想通貨(クリプト)」という枠組みだけで自らを定義することを避ける傾向の表れだとした。
DeFiについては、利用できる環境が整っていれば試してみたいと答えた人が40%で、2025年と同水準だった。このうち、利用意向が「極めて高い」または「非常に高い」人は10%だった。
関心がある層に用途を尋ねると、貯蓄が85%(2025年は77%)、米国内の友人・家族への送金が82%(同73%)、預金利息の獲得が82%だった。仕事の報酬や退職給付、政府機関からの給付金の受け取りも69%で、前年の58%から増加した。
