スコット・ベッセント米財務長官は28日、リップルのブラッド・ガーリングハウスCEOとの対談で、デジタル資産(仮想通貨)の技術基盤でも米国が勝ち、ドルを強化し続けるとの考えを示した。現在開催中のカンファレンス「Swell」での発言で、コインデスクなどが報じた。
同長官は、基軸通貨の力の源泉は歴史的に軍事力だったが、技術力へ移りつつあると分析し、「軍事の傘は維持するが、ますます技術の傘になりつつあると思う」と語った。また、米中の技術の分断が進み、各国・企業がAIや半導体でどちらの技術を採用するかを迫られる中、デジタル資産でも各国が選ぶ金融インフラがドルの影響力を左右するとの見方を示したという。
ドルの影響力を高める具体策として同長官が挙げたのが、米ドルなどの法定通貨に対して価値を一定に保つ仮想通貨、ステーブルコインだ。ステーブルコインがインフレや急激な価値変動に直面する国でのドル利用を広げ、90%超が米ドルを裏付けとする上、準備資産として米国債を持つ発行体も多く、普及に伴う需要増が米財務省の資金調達源になり得ると説明した。
トランプ政権はすでに一年前、ステーブルコインの連邦規制の枠組みを定めたジーニアス法を成立させている。今回の長官発言は、仮想通貨事業を米国内に呼び込むトランプ政権の方針に、ドルの影響力維持という理由づけを加える内容となった。
ベッセント長官は、2025年7月のジーニアス法成立時に米財務省が公表した声明でも、ステーブルコインが基軸通貨としてのドルの地位を支え、裏付け資産である米国債の需要急増につながるとの見方を示した。
また、トランプ大統領もジーニアス法の署名式で、仮想通貨産業を支援することはドルにとっても国にとっても良いことだと述べた。

