暗号資産(仮想通貨)金融サービス企業ギャラクシーデジタルの調査部門であるギャラクシーリサーチは25日、ビットコイン( BTC )に書き込まれ続ける「暗号風の文」を分析し、ツールをテストしている可能性があるとの見方を示した。
背景は、ビットコインのブロックチェーン上で、3週間にわたり毎日約40件の「ランダムな文字列」によるインスクリプション(データ書き込み)が確認されていることだ。ギャラクシーリサーチによると、1日あたりの件数は12件、24件、約40件と増えている。
これはビットコインスクリプトにおいて出力に任意のデータを埋め込むための命令OP_RETURNを利用したものである。以前は、このフィールドには80バイトという上限が設けられており、短いハッシュ値や簡潔なメッセージなどを記録する用途に限られていた。
しかし、2025年10月にリリースされた「Bitcoin Core v30」から、バイト数の上限と「1トランザクションにつきOP_RETURNは1つまで」というルールが緩和されている。その後今年5月には、何者かがこの機能を利用して、米国憲法の全文をブロックチェーン上に刻み込んだ。
ギャラクシーリサーチは、ここ3週間の書き込みに使われた資金は、この米国憲法を書き込むのに使われた資金と出所が同じだと分析した。今年5月に行われた3回の少額の取引所出金(合計0.033 BTC)に遡るとしている。運用者の身元は明らかになっていない。
一連の書き込みにより、これまでに約333万サトシが投入されている。そのうち推定24%がマイナー(採掘者)への手数料として支払われ、残りの資金は現在もこの活動に関連するアドレス内に留まっているところだ。
ギャラクシーデジタルは、暗号ではない根拠をいくつか挙げた。たとえば、562のテキスト全体で、アルファベット26文字それぞれの出現率は3.6~4.2%とほぼ均等であり実際のアルファベットごとの出現頻度の偏りを反映していない。このため置換暗号(文字を別の文字に入れ替える)ではないという。また、ヴィジュネル式の反復鍵の特徴である鍵長kで統計量が跳ね上がる現象もみられないことを指摘している。
その上で、人間ではなくボット(機械による自動処理)の仕事であるとの見方を示した。これに関しては、長文が各連鎖で6時間ごと、短文は90分ごとに夜も週末も関係なく投稿されていることなどを根拠にしている。
結論としてギャラクシーデジタルは、一連の投稿はなんらかのメッセージを伝えるものではなく単にツールのテストだと推測した。その上で、推奨事項は「読むのをやめる」ことだとしている。
なお、ビットコイン・チェーンへのデータ書き込みについては賛否両論がある。反対派からは「ピアツーピアの電子キャッシュシステム」というビットコイン本来の目的が損なわれる可能性があるとの懸念が上がる一方、賛成派はオンチェーンの機能が広がると評価している。

