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英政府が8000億円相当の押収ビットコインを保有する可能性、高裁が中国法適用

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英国高等法院は12日、中国人詐欺師Zhimin Qian(銭志敏、別名Yadi Zhang)からロンドン警視庁が押収した約6万1,000BTC(約8,000億円相当)について、被害者の所有権請求に中国法を適用するとの判断を示した。

事件は、2014年から2017年にかけて中国でQianが主導した大規模な投資詐欺にさかのぼる。Qianは12万8,000件以上の投資契約で約402億人民元(約9,500億円)を集め、その一部でビットコインを購入した。2017年に身分を偽って中国を出国し、英国に逃亡。不動産購入などを通じてマネーロンダリングを図った。

ロンドン警視庁は2018年、約6万1,000BTC超を保有する4つのデバイスを住居などから押収した。ただしQian本人はヨーロッパ各地の高級ホテルに滞在するなどして、長年にわたり警察の追跡を逃れていた。

Qianは最終的に英国北部の都市ヨークで発見され、2024年4月に逮捕された。2025年9月に、英国史上最大規模と言われるビットコイン押収事件でマネーロンダリング関連の罪を認め、11月に懲役11年8カ月の実刑判決を受けている。

今回の判断は、この刑事裁判とは別に、検察庁長官が提起した民事資産回収手続きの中で示された。中国メディア「財新(Caixin)」の報道によると、約1万6,000人の中国人被害者が英国での法的手続きに参加している。

被害者らは、英国の犯罪収益法(Proceeds of Crime Act 2002)第281条に基づき、押収資産は自分たちに帰属するとの宣言を求めている。7月の審理では、被害者側の弁護士が英国法、あるいは英国法と中国法の併用を求めたが、検察側は中国法の適用を主張した。

マーク・ターナー判事は、投資契約の締結、資金の拠出、詐欺被害といった主要な事実が中国で発生した点を重視し、検察側の主張を支持した。

押収されたビットコインの最終的な帰属先は、今回の決定ではまだ確定していない。英国の犯罪収益法には、被害者への返還を包括的に保障する仕組みがなく、被害者側は押収資産に対する所有権などの財産上の権利を個別に立証しなければならない。

中国法に基づく権利の立証が認められるかどうかは、今後の審理で判断される。ただ、立証は容易ではないとの見方もある。英紙フィナンシャル・タイムズは、今回の決定で英国政府が押収ビットコインの大部分を保持できる可能性が高まったと報じている。

財新によると、押収されたビットコインの現在価値は、当初の購入価格の約200倍に達しているという。一方で、被害者が回収できる金額については、価格上昇による利益の分配ではなく、投資元本と利息の回収程度にとどまる可能性が指摘されている。

個人被害者の一部の代理人を務める英法律事務所フィールドフィッシャーは、ターナー判事の判断を不服として控訴する方針だ。

判決資料によると、投資家から集められた約402億人民元のうち、これまでに約341億人民元が一部の被害者に返還されている。

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