米銀大手ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)のチャーリー・シャーフCEOは13日、2026年7〜9月期の決算説明会で、米国におけるステーブルコインの用途は「まだ不明確」との認識を示した。そのうえで、事業機会が広がった場合に備えて仕組みづくりを進めていると説明した。
同行は9月、法人・商業銀行部門の顧客向けに、自社のブロックチェーン基盤でトークン化預金の提供を始めた。シャーフ氏は用途の一つとして企業の資金移動を挙げた。基盤の拡充により、顧客は口座間や国境をまたぐ送金を時間帯を問わず行えるようになるという。
トークン化預金は、商業銀行に預けた資金への請求権をブロックチェーン上のトークンとして表したもの。資金を銀行システムの中にとどめたまま、ブロックチェーンの決済機能を使える。同行は8月時点で、一部顧客向けの米ドルと英ポンドの交換サービスから始め、2027年中に対象の顧客や国、通貨を広げる計画を示していた。
ウェルズ・ファーゴは9月1日、ゴールドマン・サックスや三菱UFJ銀行など計21の金融機関で、ステーブルコイン発行を支える新会社を2026年後半に設立すると発表した。クロージング条件の充足が前提で、社名は今後公表する。市場投入は2027年前半を目指す。
新会社は当初、米ドル建てに注力し、長期的にはユーロを優先して他のG7通貨建てにも発行を広げる方針だ。想定する用途には国際送金やデジタル資産の決済が含まれる。米国のジーニアス法と欧州の仮想通貨規制MiCAには、該当する範囲で準拠するとしている。
米大手銀4行によるトークン化預金の共通ネットワーク構想にも、同行は名を連ねる。JPモルガン・チェースなど各行が発行するトークン化預金を相互に接続するもので、米決済機関クリアリング・ハウスが運営する計画だ。稼働目標は2027年前半だ。
同日発表した7〜9月期決算では、純利益が59億5,100万ドルと前年同期の55億8,900万ドルから6%増えた。売上高は218億7,000万ドルで2%増、希薄化後1株利益は1.87ドル(前年同期は1.66ドル)だった。
シャーフ氏は投資の優先分野について、個人・法人向けの従来型決済とデジタル決済への投資を加速していると述べた。同期の技術・通信・設備関連費用は14億9,200万ドルで、前年同期から13%増えている。
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