暗号資産(仮想通貨)マイニング・データセンター企業IREN(旧Iris Energy)は、AI企業アンソロピックと複数年のクラウド契約を締結したと伝えられる。The Informationが11日、関係筋の情報として報じた。
IRENは、2026年6月30日を末日とする通期決算を発表した際に「主要なフロンティアAI研究所」との複数年契約を公表していた。ただし、今回の契約がこれに該当するのかは不明であり、契約の金銭的条件や正確な期間も明らかになっていない。
同社は、ビットコイン( BTC )採掘からデータセンター事業へと軸足を移し始めているところだ。ハイパースケーラー(最大手クラウド事業者)、一般企業、AI開発企業、最先端研究所など、多角的な顧客基盤へデータセンターインフラ提供で契約を結んでいる。
8月末の発表によると、2026年に稼働する設備については合計40億ドル(約6,300億円)の契約済み年換算収益が見込まれており、そのうち10億ドル分はすでに稼働中だ。なお、この文脈での年換算収益はIREN独自のもので「GPU時間単価×8,760時間」で算出する。
2026年の供給能力の大部分が契約により予約済み、2027年の供給能力の相当部分についても、複数の新規顧客と最終段階の協議を実施中、2028年についても顧客および資金調達に関する協議を並行して進めているとしていた。
IRENはこれまでにも、大手企業との契約を締結している。5月には米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)との戦略的提携を発表。エヌビディアDSXアーキテクチャに準拠したAIインフラを最大5ギガワット(GW)規模提供することを目指すものだ。
これに伴い、IRENはエヌビディアに対し、1株あたり70ドルで最大3,000万株を購入できる5年間の権利を付与している。また、34億ドル(約5,400億円)規模のAIクラウド契約も含まれている。
マイクロソフトとも、2025年11月に5年間にわたる97億ドル(約1.5兆円)規模のクラウドサービス契約を結んだ。米テキサス州の施設で、NVIDIA GB300 を使った液冷システムによるAI計算環境を提供するもので、今年8月にはその第一弾となる「Horizon 1」の納入を完了した。
「Horizon」2~4についても、2026年第4四半期(10~12月)の引き渡しを目指している。
IRENの共同創業者兼共同CEOのダニエル・ロバーツ氏は8月、AI(人工知能)の利用が爆発的に増加したことで、コンピューティング能力に対する需要が、そのインフラの供給をはるかに上回っている状況だと述べた。IRENはこの機会を捉えていくとの姿勢を示した。
IRENのAIクラウド事業の収益は、2026年6月30日までの通期において前年比7倍以上の1億2,880万ドル(約200億円)へと急成長している。一方、ビットコインマイニング事業の収益は5億7,820万ドル(約900億円)で、全体に占める割合は依然として大きい。

