オンチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)は7日、週次レポート「The Week On-chain」を公開した。ビットコイン( BTC )が8万5,000ドルの売り板を突破した直近の上昇について、取引高が乏しく、新規資金の流入も限られていたと分析している。価格はその後、同水準を再び割り込んだ。
現物取引所と米国の現物ビットコインETFを合わせた1日あたりの取引高は、7日平均で約68億ドル。2024年1月以降の9割の日を下回る低水準だ。9月22日以降、曜日ごとの平常水準に届いた日は1日もない。4日(日曜)に8万5,000ドルを上回って引けた際も、出来高は通常の日曜の半分程度だった。
10月5日までの30日間に流入した新規資金は約49億ドル。米現物ETFへの流入やステーブルコインの供給増、企業による財務目的の購入を合算した額だ。同じ期間に実現時価総額(各コインが最後に移動した時点の価格で評価した時価総額)は約128億ドル増えており、新規資金で説明できるのは増加分の4割に満たない。
8万5,000ドル超えの局面では、直近の買い手が利益確定に動いた。4日に取引所へ送られたコインのうち約86%は、保有期間155日未満の短期保有者が含み益の状態で移したもの。過去1年で最も高い割合で、通常の日は4割を下回る。
オプション市場では強気姿勢が戻っている。建玉と出来高のプット・コール比率はいずれも1を下回り、2026年の推移で下位3分の1の水準にある。建玉ベースではコール1に対してプットは約0.56。8月中旬以降はコールへの支出がプットを上回っており、現在は30日平均で1日あたり約1,700万ドル多い。グラスノードによると、2020年以降に同様の価格付けと低ボラティリティが重なった13回のうち、1カ月後に価格が上昇していたのは7回だった。
清算水準は価格の下方に積み上がっている。直近2カ月のヒートマップで、現在値より上にある清算水準は全体の約17%にとどまり、価格周辺の層は1週間で約5割厚みを増した。最も近い集中帯は8万1,700ドルから8万3,300ドルで、その下に7万5,000ドル付近、さらに最も厚い6万ドルから6万3,000ドルの帯が控える。1年分のマップでは、上方で最大の集中帯が8万7,100ドルから9万5,900ドルに広がり、9万2,000ドル付近が最も厚い。
バイナンスの現物板では、売り手が価格の上に売り注文を置き続けている。9月30日に8万5,000ドルから8万5,500ドルの売り板を突破した後、8万6,500ドルから8万6,750ドルに新たな売り注文が現れ、6日に価格は同水準の手前で押し戻された。7日早朝には8万5,000ドルの買い板も割り込み、現在最大の買い板は3日から置かれている8万1,000ドルから8万1,250ドルにある。
米経済指標も追い風にならなかった。直近3回の指標発表では、いずれもビットコインが発表直後に上昇したものの、12時間以内に失速した。その間もS&P500は発表前の水準を保っていた。2日の雇用統計の12時間後には2.3%安となっている。7月から9月21日の上抜けまでは上昇の大半が米国時間に生じていたが、それ以降、米国時間は差し引きで売り越しに転じた。
アルトコインは9月下旬までビットコインを上回る値動きを見せたが、勢いに陰りが出ている。前週までの2週はいずれも約7割の銘柄がビットコインを上回ったが、最新の1週では3割を下回った。時価総額に対する建玉の比率が高い大型アルトコインの割合は、2025年10月の急落の直前以来の高さにある。
グラスノードは、市場が新規需要よりもポジションに依存していると総括した。現物出来高の増加やETFの買い越し、8万5,500ドルを上回る終値の定着が続けば、9万2,000ドル付近の清算帯が射程に入る。逆に8万1,000ドルの買い板を割り込めば、下方の清算水準が試される展開になるとしている。
