米財務省外国資産管理室は2日、偽の慈善団体と仮想通貨を使ってハマスに200万ドル超を送金していたとして、ハマス軍事部門のメンバー1人とフランスを拠点とする個人2人、関連団体2団体を制裁対象に指定したと発表した。テロ対策の制裁権限を定めた大統領令に基づく措置で、対象者の米国内や米国人が管理する資産は凍結され、米国人との取引は原則禁止となる。
制裁対象のサリーム・アブダラ・サリーム・アルザク氏は、ガザを拠点とするハマス軍事部門の大隊の副指揮官で、送金業者や仮想通貨ウォレットを使ってアルカッサム旅団に資金を送る資金網を統括しているという。フランスを拠点とするファウジ・バリカ氏とアメル・ウアリド氏は、ガザの民間人支援を名目とするアソシエーション・バラカとアンサンブル・セ・ミューをそれぞれ運営し、集めた資金をアルザク氏へ直接送金していた。
財務省によると、2020年から2026年の6年間にアルザク氏ら3氏が集めた200万ドル超のうち、150万ドルは2023年10月7日のハマスによるイスラエルへの攻撃後に集められた。バリカ氏とウアリド氏はアルザク氏に数十万ドル相当の仮想通貨を送っており、財務省は今回の制裁を、米連邦捜査局が主導し、複数の法域にまたがるハマスの資金調達事業の摘発作戦と連動したものだと説明した。
財務省はこれまでにも、仮想通貨が絡む資金の流れに制裁を科してきた。イラン人金融家ババク・ザンジャニ氏系列の仮想通貨取引所ビットバンクは、6月から7月にかけて数億ドル相当のビットコインをイラン革命防衛隊へ送金する経路に使われたとして、制裁対象に指定された。
外国資産管理室は2026年1月30日と7月24日にも、ザンジャニ氏系列の複数の仮想通貨関連事業者や仲介者を制裁対象に加えている。ベッセント財務長官はイランへの制裁をめぐり、「イラン政権を支援すれば、財務省が制裁を科す」と述べた。

