分散型取引所ハイパーリキッドの関連団体「ハイパーリキッド・ポリシーセンター(HPC)」およびサークル社は、欧州委員会による暗号資産(仮想通貨)包括規制「MiCA」の見直しについてそれぞれ意見書を提出した。
ハイパーリキッド・ポリシーセンターは、無期限先物を、2014年成立の「金融商品市場指令(MiFID II)」の下で規制すべきだと主張している。MiCAの対象とするのではなく、既存のデリバティブ規制の枠組みで扱うよう求める格好だ。
まず最初の論点は、金融商品の分類基準である。分類は商品の経済的な特徴に従うべきで、記録される台帳の種類で決めるべきではないと述べた。無期限先物がオンチェーン取引所に上場している場合など、ブロックチェーン上にあるというだけで商品の分類は変わらないことを確認するよう求めている。
次に、無期限先物に差金決済取引(CFD)に対する規制を一律で適用しないよう訴えた。欧州当局は2018年、個人向けのCFDに対してレバレッジ上限などいくつかの制限を設けている。
ハイパーリキッド・ポリシーセンターは、CFDでは業者が顧客の損失で利益を得るが、この点、無期限先物の板取引では取引所自体が取引相手ではなく、構造が異なると主張した。
その代わりとして、オンチェーン市場の特性に合わせた投資家保護策を提案。取引所に対して資金調達率の算定方法、維持証拠金率や清算(強制決済)ルールを事前に公表させることや、投資家の熟練度に応じて段階的な制限を導入することなどを唱えている。
USDC提供などで知られるサークル社の意見書は、MiCAのステーブルコイン準備資産規則の緩和などを求める内容だ。同社は、世界の時価総額上位25のステーブルコインのうち、MiCAの規制下にあるのは3つにとどまると指摘。これを改善するための方策を提案した。
まず、準備金要件を柔軟にすることを唱えている。現行規則ではステーブルコインなど電子マネートークンの発行体は準備金の30%以上を商業銀行の預金で保有する必要がある。さらに当局が「重要」と認定した場合は60%に引き上げられる形だ。
サークル社は、この要件はステーブルコイン発行体が、銀行セクターの信用リスクやカウンターパーティリスクから受ける影響を大きくするものだとして反対している。
さらに、準備金における単一の国の国債割合を35%までとする制限についても意見し、米国債を準備金の中心とするドル建てステーブルコインがこれを守るのは不可能な水準だと主張した。
また、特定の銀行への預け入れを当該銀行総資産の1.5%以内とする制限についても撤廃を求めた。大手ステーブルコイン発行体は数十の銀行と取引せざるを得なくなり、運用上煩雑かつリスクが増加すると訴えている。
その他に、外国規制ステーブルコイン専用の同等性・承認制度なども提唱した。外国の規制枠組みとEUのそれの同等性を確認し、EU当局が当該事業体を承認した後にEU外の国の当局が監督するステーブルコインをEU域内で流通させる仕組みだ。

