米証券取引委員会(SEC)は17日、自動マーケットメーカー(AMM)を用いてトークン化された米国株式を取引するプラットフォームを、証券取引所法上の「取引所」の定義から外し、ニューヨーク証券取引所やナスダックのような取引所に本来課される規制を免除する「イノベーション免除」を、公表から5年間の時限措置として発表した。
SEC委員長のポール・アトキンス氏は、新技術に対応した規則刷新を掲げる「プロジェクト・クリプト」構想の一環として、資本市場のデジタル化に向けた重要な一歩だとした上で、意見公募を通じて追加の対応を検討する考えを示した。
トークン化証券取引プラットフォーム(TSV)と呼ばれる事業者は、取引できる銘柄数や出来高に上限を設けられるほか、上場株と同等の議決権・配当受領権をトークン保有者に保証することが条件として義務付けられる。あわせて、スマートコントラクトが監査可能で公開され、許可不要型の分散型台帳上で稼働していることや、対象株式が売買停止となった場合にTSVでの取引も同時に停止すること、制裁関連規則を順守することも条件に含まれる。
SEC広報担当者は記者団との会見で、今回の措置が1年以上前から準備され、市場からの関心を受けて公表に至った経緯を明らかにした。
対象となるのは配当や議決権など実際の株主権を伴うトークン化株式であり、価格連動のみを提供する合成商品は除外される仕組みで、トークン化企業セキュリタイズのカルロス・ドミンゴCEOは「実際のトークン化株式を取引できる手段を与えるもので極めて前向きだ」と評した。
発行体以外の第三者が株式をトークン化する場合、TSVは発行体に書面で通知した上で30日間の期間を設ける必要があり、発行体が異議を唱えれば当該トークンは免除の対象として取引できない。
コインデスクによると、オンチェーンの証券移管代理業を手掛けるフェアミントのジョリス・デラヌエCEOは、この発行体拒否権が今回の枠組みの重要な安全装置になっていると述べたという。
また、株主権を伴わずに価格連動のみを提供してきたロビンフッドの株式トークンやクラーケンのエックスストックス、オンドファイナンスの海外向け商品は、SECの新たな枠組みを利用するのであれば仕組みの変更が必要になる。


