香港のスタンダードチャータード銀行(香港)は24日、ステーブルコイン発行会社アンカーポイントが発行する香港ドル建てステーブルコイン「HKDAP」について、銀行として初めて販売代理を開始すると発表した。
HKDAPは「HKDアット・パー」の略称で、香港ドルに連動する規制対象のステーブルコインであり、アンカーポイントが発行している。
同行は初期の販売代理として、対象となる機関投資家や提携先との連携を進めている。HKDAPの段階的な展開にあわせ、今後数カ月で新たな商業活用例を導入し、香港のデジタル資産エコシステムの発展を支える方針だ。
同行はアンカーポイントの筆頭株主であり、プログラム可能かつ相互運用可能なオンチェーン決済手段としてのHKDAPの24時間稼働機能を活用した実用例の開発を同社と進めている。初期の活用例には、トークン化マネー・マーケット・ファンドの申込みや決済、グループ内のトレジャリー・流動性管理に向けた決済、資本移動の効率化につながるクロスボーダー決済が含まれるとしている。
同行は初期の活用例の一つとして、第4四半期に国内外の大手資産運用会社とともにトークン化マネー・マーケット・ファンドの申込みおよび決済を開始する計画を示した。グループ内決済の活用例についても、近い将来に自行のネットワーク全体へ導入する意向を示した。
スタンダードチャータードで香港・大中華圏北アジア担当の最高経営責任者を務めるメアリー・ホン氏は、規制対象の香港ドル建てステーブルコインへの安全なアクセスを提供できることを歓迎する考えを示した。アンカーポイントの最高経営責任者兼共同創業者、ドミニク・マフェイ氏は、スタンダードチャータードの参加がHKDAPのエコシステム拡大における節目になるとの見方を示した。
今回の提携先となるアンカーポイントは、スタンダードチャータード銀行(香港)、香港の通信大手HKT、ブロックチェーン企業大手アニモカブランズが2025年2月に設立した合弁会社である。同社は26年4月、香港金融管理局からステーブルコイン発行免許を取得した、最初期の発行体の一社となっている。
スタンダードチャータードのデジタル資産事業の動向を巡っては、同行が19日にHSBCとともに、SWIFTが運用するブロックチェーン基盤の台帳上でトークン化預金による初の銀行間クロスボーダー取引を実施したと発表したばかりだった。同行はHKDAPの取扱い開始も含め、トークン化マネー分野での取り組みを進めている。